同級生が総理に―。第99代首相に選出された自民党の菅義偉総裁(71)と同級生で、秋田県内で小中高時代を共にした、八戸市鮫町の獣医学博士樋口誠一さん(71)=同県雄勝町(現・湯沢市)出身、健康動物病院院長、北里大名誉教授=は、1学年2学級だった小学校時代、互いのクラスで「組長」を務めあった親友。「小さい頃から彼は愚直で真面目で、責任感のある性格だった。これからは首相として国民の期待に応えてほしい」と、同郷の星にエールを送る。[br] 「朝早く学校へ行って一緒に相撲を取り合った。始業の鐘が鳴っても相撲を続けて、ぎりぎりで教室に駆け込むのが常だった」と当時を懐かしむ。[br] その後、樋口さんは北里大教授、菅さんは横浜市議を経て国会議員に。今でも上京の折は会ったり、メールをやりとりして親交を深める仲だ。[br] 2018年の大相撲9月場所で、憧れの土俵に上がり首相代理として賜杯を授与した菅さんへ、樋口さんが「おめでとう」とメールを送ると、「とても賜杯は重かった。あの頃取った相撲が懐かしいなあ」と返信があったという。[br] 昨年7月、参院選の応援演説で八戸を訪れた菅さんは、街頭にいた樋口さんを見つけるやいなや、人目もはばからず抱きついてきた。「私も力一杯彼の背中を抱え込んだ。言葉にならない時間だった」と振り返る。[br] 樋口さんは「人を愛し、古里を愛し、日本を愛する“菅丸”の船出。国民の負託に応えることはもちろんだが、なにより健康で務め抜いてほしい」と願った。