青森県は14日、2019年産の県産リンゴの年間販売価格を発表した。首都圏など5消費地市場の平均価格は前年比25%増の1キロ386円で、過去5カ年で最高額の年と最低額の年を除いた中庸3カ年の平均比は21%増だった。平成以降では、91年の463円に次ぐ過去2番目の高値となった。県は高温少雨の影響で収穫量が落ち込んだ中、台風被害で競合産地の良果が少なく、県産の引き合いが強まったことが価格高騰の要因とみている。[br] 19年産の県産リンゴは少量傾向だったが、小玉で味が引き締まった。高品質に仕上がった県産に対し、競合する県外産地は台風や天候不順で品質の低下や生育遅れが目立ち、県産に需要が大きく傾いた。さらに新型コロナウイルスの影響で発生した家庭内需要が高値を維持させた。[br] 消費地市場では、在庫が少なくなった年明けごろから価格が急騰。19年産の販売が終了した8月は1キロ709円(前年比55%増)で、単月では平成以降トップ。4~7月も中庸3カ年の月別平均価格を大幅に上回った。[br] 品種別の平均価格をみると、ふじ412円(35%増)、ジョナゴールド462円(35%増)、紅玉356円(20%増)など。[br] 県りんご果樹課の三上道彦課長は「19年産は品質が良く、高い価格でも県外市場で十分に売ることができた」と総括。県産リンゴの需要維持に向け、「病害虫の予防や適期収穫の徹底を呼び掛けていきたい」と強調した。[br] 県が同日公表した19年産の県産の県外販売額は904億円(8%増)。県外分に加え、今後公表される小口販売と県内販売、加工分を合わせた金額が年間販売額となる。県産は15~19年産にかけ、5年連続で年間販売額1千億円超えを達成している。