リサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設が2日、原子力規制委員会の審査に事実上合格したことについて、施設が立地するむつ市やむつ商工会議所は「操業に向けた大きな前進」と歓迎した。一方、原子力に反対する市民団体からは核燃料サイクルの不透明さを理由に、永久貯蔵を懸念する声が上がった。[br] 宮下宗一郎市長は「理論上は安全だということで結論が出たと認識している。(RFSが2021年度を予定する)約束通りの操業開始に向けて前進してほしい」と語った。市として原子力規制庁や内閣府の原子力防災担当と意見交換を始めたと明かし、「私たちとしても安全性を確保しながらこの事業を進めていく」と強調した。[br] むつ商工会議所の其田桂会頭は、署名活動を実施して誘致を実現させた経緯に触れ、「審査申請から長くかかったが、大きなヤマを越えた。歴代の会頭も喜んでいると思う」と感慨深げに話した。[br] これに対し、市民団体「核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会」事務局の栗橋伸夫さんは、高速増殖原型炉もんじゅの廃炉など核燃料サイクルが事実上頓挫していることに触れ、保管後に燃料が再処理のために搬出されるかを疑問視。「搬出先が見えない中で受け入れるべきではない。1度入ると永久貯蔵が懸念される」とし、操業中止を求めて活動を続ける考えを示した。[br] 05年に市と共にRFSの親会社となる東京電力、日本原子力発電と中間貯蔵施設の立地協定を締結した青森県は「まだ手続きが残されている。引き続き国や事業者の対応状況を注視していく」とのコメントを出した。