【中間貯蔵施設】規制委員長、貯蔵長期化に懸念/事実上合格受け

記者会見する原子力規制委員会の更田豊志委員長=2日、東京都港区
記者会見する原子力規制委員会の更田豊志委員長=2日、東京都港区
原子力規制委員会の更田豊志委員長は2日の定例会見で、事実上の合格判断を下したリサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)について、一般論と断った上で搬出先が未定のまま貯蔵が長期化することに対して懸念を示した。政策上の問.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 原子力規制委員会の更田豊志委員長は2日の定例会見で、事実上の合格判断を下したリサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)について、一般論と断った上で搬出先が未定のまま貯蔵が長期化することに対して懸念を示した。政策上の問題には直接踏み込まない形で言及したが、不透明感が漂う核燃料サイクルの先行きに一石を投じた形だ。[br] 更田氏は施設の操業後、保安検査などで極めて重大な違反が発覚した際に使用停止を命じても、貯蔵している核燃料の行き場がないことが想定されると説明。「簡単に行き先が決まるわけではないし、(停止命令に伴う施設外搬出は)具体的ではない」と指摘した上で、「恐れるのは出て行く先がない状態だ。(核燃料を収納する金属容器の)キャスクの許容年数に近づくような事態にならないか」と問題提起した。[br] 「仮想的ではある」と前置きしつつ、具体策としては審査で60年間と評価したキャスクの耐用年数を参考に「年数に近づく物が増え、それがキャパシティー(施設容量)の多くを占めるようになってきたら、新たな物の搬入を許可しないなどさまざまな方策はあると思う」と例示した。「少し長いレンジ(範囲)で捉えておく必要がある」とも述べ、RFSの意向を確認する方針を示した。[br] 一方、会見に先立つ定例会合で審査書案を了承したことに関しては「全ての対象に対して厳正に審査し、確実な結果を得た」と強調。約6年8カ月にわたる審査に「随分と時間がかかった」との認識を示し、説明資料の提出が度々遅れるなどしたRFSの対応に「後半の足が随分鈍った」と暗に批判した。記者会見する原子力規制委員会の更田豊志委員長=2日、東京都港区