RFS中間貯蔵施設「合格」 規制委が審査書案決定

使用済み核燃料中間貯蔵施設の審査書案を了承した原子力規制委員会の定例会合=2日、東京都内
使用済み核燃料中間貯蔵施設の審査書案を了承した原子力規制委員会の定例会合=2日、東京都内
原子力規制委員会は2日の定例会合で、使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)が新規制基準に適合していると認める「審査書案」を了承した。事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)の審査申請から約6年8カ月を経て事実上合格した。青森県内の原子力施設で審査.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 原子力規制委員会は2日の定例会合で、使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)が新規制基準に適合していると認める「審査書案」を了承した。事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)の審査申請から約6年8カ月を経て事実上合格した。青森県内の原子力施設で審査書案がまとまったのは4例目。[br] 規制委が今後、経済産業相と原子力委員会に対する意見聴取や一般からのパブリックコメント(意見公募)を実施して正式合格する。[br] むつの中間貯蔵施設は、原発の敷地外で使用済み核燃料を保管する国内初の施設。RFSは2021年度の操業を見込むが、安全対策工事の実施に向けた詳細設計の認可(設工認)も受ける必要があり、目標通りに進むかは不透明だ。RFSは認可後に確実な操業時期を示すとしている。[br] RFSは14年1月に審査を申請し、規制委からの指摘を踏まえて9回にわたり補正申請書を提出した。安全対策の焦点となった津波対策では、高さ11・2メートルと設定した基準津波(想定される最大規模の津波)に変わって、県の想定で設定された値の倍となる23メートルの「仮想的大規模津波」を評価に用いた。[br] これまでの議論では、核燃料を収納する金属容器(キャスク)で一定の安全性が確保されるとした上で、貯蔵建屋の一部が損傷し天井クレーンなどが落下してもキャスクの閉じ込め機能を維持できると確認。基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)は600ガルから620ガルに引き上げた。[br] この日の会合で事務方の説明に異論は出ず、委員5人が全会一致で了承。これを受け、RFSは「審査書案が取りまとめられて一つの節目を迎えた。今後とも規制委の審査に真摯(しんし)かつ丁寧に取り組みたい」とコメントした。[br] RFSは東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資。施設では両社の原発から出た使用済み燃料を最長で50年間貯蔵する。使用済み核燃料中間貯蔵施設の審査書案を了承した原子力規制委員会の定例会合=2日、東京都内