花の魅力伝え四半世紀 南部町「めいぷる」惜しまれ解散へ

色とりどりの花や作品が並ぶ名川ドライフラワーセンター。工藤隆子会長(右)や西塚友子副会長ら会員が運営を担っている=8月下旬、南部町
色とりどりの花や作品が並ぶ名川ドライフラワーセンター。工藤隆子会長(右)や西塚友子副会長ら会員が運営を担っている=8月下旬、南部町
南部町でドライフラワーや押し花の魅力を発信している市民団体「アートセンターめいぷる」(工藤隆子会長)が、本年度末で解散し、四半世紀の歴史に幕を下ろす。同町の名川ドライフラワーセンターを拠点に、会員自ら草花を育て、多彩な素材や創作体験の機会を.....
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 南部町でドライフラワーや押し花の魅力を発信している市民団体「アートセンターめいぷる」(工藤隆子会長)が、本年度末で解散し、四半世紀の歴史に幕を下ろす。同町の名川ドライフラワーセンターを拠点に、会員自ら草花を育て、多彩な素材や創作体験の機会を提供してきた。しかし、会員の減少や新型コロナウイルスの影響で苦渋の決断を下すことに。会員らは「花を通じて、これまでたくさんの笑顔を見ることができて良かった」と、これまでの出会いと思い出をかみしめている。[br] 「白い花を1本入れると雰囲気が変わるよ」。8月下旬に南部町の桜本町公民館で開かれたドライフラワー作り体験会。同団体の西塚友子副会長が、鉢やしおりを作る参加者にアドバイスをして回った。[br] 参加者は色とりどりの花を使い、作品を完成させると笑顔に。体験会を企画した桜本町寿会の蛇沼淳子会長は「手先を使って刺激になるし、みんな楽しみにしている」と話した。[br] アートセンターめいぷるは、高齢者の生きがいづくりを目的に、旧名川町と同町社協が主催したドライフラワー教室を前身として1994年、受講生らによって結成された。同年、素材の確保のため、青森県立名久井農業高の協力を得て花の栽培を開始。97年には町が拠点施設として名川ドライフラワーセンターを整備した。[br] 施設の中は、色とりどりの草花で埋め尽くされている。麦わら菊、千日紅、バラ―。「トウモロコシの皮やカボチャの種もありますよ。ドライフラワーや押し花に使える物を会員で話し合ってそろえるんです」と工藤会長。会員にはそれぞれ得意分野があり、意見交換しながら品ぞろえを充実させてきたという。[br] 特に力を入れてきたのが体験実習だ。観光客やホームステイしている外国人を受け入れたり、県内外の研修会に参加したりと、各地に出向いて創作の楽しさを広めてきた。工藤会長は「同じ花を使っても、人によって異なる作品に仕上がる。草花には不思議な魅力がある」と話す。積極的な活動が評価され、2009年には内閣府の「エイジレス・ライフ実践事例」を受賞した。[br] 一方、人口減少やライフスタイルの多様化もあって約30人いた会員数は年々減少し、現在は約半分に。施設利用者も減少傾向だったところに、新型コロナが追い打ちをかけた。[br] 工藤会長は「せっかくここまでやってきたので、なくしたくはなかったが仕方がない」と悔しさをにじませる一方、「来年3月までは材料の販売や体験を受け入れるので、最後までお客さんに楽しんでもらいたい」と新たな出会いを心待ちにしている。 体験などの問い合わせは同センター=電話0178(75)1841=へ。色とりどりの花や作品が並ぶ名川ドライフラワーセンター。工藤隆子会長(右)や西塚友子副会長ら会員が運営を担っている=8月下旬、南部町