「生きる希望見つける場所に」県南初、緩和ケア専用の独立病棟 八戸市民病院9月1日開所

9月1日から共用を開始する八戸市立市民病院の緩和ケア病棟。患者が自分らしく過ごせる場所を目指す=8月下旬、八戸市
9月1日から共用を開始する八戸市立市民病院の緩和ケア病棟。患者が自分らしく過ごせる場所を目指す=8月下旬、八戸市
八戸市立市民病院の緩和ケア病棟が9月1日に供用を開始する。緩和ケア専用の独立した病棟の設置は青森県南地方では初で、入院中も家族やペットと過ごせるなど、一般病床では難しかった、きめ細やかなケアを実践できるようになる。目指すのは「生きる希望を見.....
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八戸市立市民病院の緩和ケア病棟が9月1日に供用を開始する。緩和ケア専用の独立した病棟の設置は青森県南地方では初で、入院中も家族やペットと過ごせるなど、一般病床では難しかった、きめ細やかなケアを実践できるようになる。目指すのは「生きる希望を見つけられる場所」。八戸圏域の緩和ケアの拠点として、質の高い医療を提供すると共に、緩和ケアに対する理解向上も図っていく。[br] 「緩和ケア」は、闘病中の精神的・身体的な苦痛や不安を取り除き、普段の生活に戻れるように、医師や看護師、薬剤師ら専門職が連携して医療的なサポートを行うケアで、決して死を待つだけのネガティブな医療ではない。[br] 同病棟では、きめ細かいケアを提供するため、20床全てを個室にし、家族が訪問した際も宿泊もできるように広いスペースを確保。家族にはセキュリティーカードを渡して24時間いつでも面会できる体制を整えているほか、ペットと触れ合える専用の部屋も用意するなど、入院中もできるだけ自分の時間を過ごせるように配慮した。[br] 当初は5月末の運用開始を予定していたが、新型コロナの影響で延期に。9月からのスタートが決まり、病棟スタッフらは感染対策を徹底しつつ、受け入れの準備を進めている。[br] 「病気と闘いながらも、患者さんが自分らしい生活に戻れるようなお手伝いができれば」と話すのは、同病院看護師の馬場教子さん。専門的な知識を持つ緩和ケア認定看護師として、患者だけでなはく、家族にも寄り添った対応をしていきたいと考えている。[br] 病棟内の共有スペースには、季節を感じられる緑豊かな中庭があるほか、プロジェクターやキッチンを備えたラウンジもあり、将来的には地域住民を交えたイベントでの活用も検討している。馬場さんは「病院と自宅との中間的な場所として、自分の生活をより良く過ごすための手段を考えられるようなケアを提供したい」と思いを強くする。[br] がん化学療法認定看護師の佐藤美穂師長は、病棟が整備されたことにより、緩和ケアをより多くの人に正しく理解してもらうきっかけになることを願う。「地域と連携しながら1人でも多くの患者さんに最適なケアをし、治療中の不安も希望になるような場所にしていきたい」と、さらなる充実を目指す。9月1日から共用を開始する八戸市立市民病院の緩和ケア病棟。患者が自分らしく過ごせる場所を目指す=8月下旬、八戸市