聖寿寺館跡(南部町)の出土品、全国巡回展に出展「発掘された日本列島2020」

聖寿寺館跡から出土した「向鶴銅製目貫金具」(南部町教委提供)
聖寿寺館跡から出土した「向鶴銅製目貫金具」(南部町教委提供)
13日に東京都を皮切りに始まった全国巡回展「発掘された日本列島2020」(文化庁など主催)に、国史跡・聖寿寺館(しょうじゅじたて)跡(南部町)の出土品が初めて出展されている。三戸南部氏の居館があった同跡では、室町・戦国文化を伝える遺物のほか.....
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 13日に東京都を皮切りに始まった全国巡回展「発掘された日本列島2020」(文化庁など主催)に、国史跡・聖寿寺館(しょうじゅじたて)跡(南部町)の出土品が初めて出展されている。三戸南部氏の居館があった同跡では、室町・戦国文化を伝える遺物のほか、北方のアイヌ文化に関係する品も出土。両文化の交流を確認できる点が高い評価を得ており、関係者は「この機会に聖寿寺館跡を全国の人に知ってほしい」と期待を込める。[br] 同跡は三戸南部氏が15世紀前半から16世紀半ごろにかけて拠点とした場所で、1539年に焼失したとされる。1993年に町の発掘調査が始まり、これまでに東北地方で最大規模の堀立柱建物跡や貴重な遺物が発見されている。[br] 「発掘された日本列島」展では毎年度、全国の遺跡発掘調査の成果を紹介。同跡は今回、中世の注目遺跡として取り上げられ、南部家の家紋「向鶴」が施された刀装具「向鶴銅製目貫金具」、アイヌ文化を伝える骨角製品など計47点が出展される。[br] 南部町教委社会教育課史跡対策室の布施和洋総括主査は、「戦国大名の館は全国にあるが、聖寿寺館跡では室町・戦国文化とアイヌの文化が入り交じり、中世日本北端部の人や物の動きが確認できる」と重要性を強調。「初めて全国規模の展覧会で紹介されるので、多くの人に見てもらいたい」としている。[br] 巡回展は東京都や福島県など全国5カ所で開かれる予定。聖寿寺館跡から出土した「向鶴銅製目貫金具」(南部町教委提供)