青森県は7日、上十三保健所管内に住む40代男性会社員の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。男性は、院内感染が発生した十和田市立中央病院に勤務する看護師と同居する夫。4月28日に妻の感染が分かり、濃厚接触者として29日にPCR検査を受けた時は陰性だった。再度の検査で陽性が判明した。家庭内で感染したとみられる。同病院に関連した感染者は看護師4人と合わせて5人目。県内の感染者は計27人となった。[br] 最初の検査で陰性となりながら、2度目で陽性となったのは県内では初のケース。県健康福祉部の有賀玲子部長は会見で「感染してもウイルス量が少ないと陽性にならない。初回の検査ではウイルス量が少なかったのではないか。偽陰性ではなく、体内でウイルスが増えた結果、症状が出たと考えている」と述べた。[br] 夫婦と同居する10代の子ども2人は4月時点で陰性と判明。現在、健康観察中だが、症状はないという。県は必要に応じて再度、PCR検査を実施する考え。妻が入院中で、男性も入院するため、子どもが生活面で孤立しないよう支援するとしている。[br] 男性は4月12日から在宅勤務を実施。陰性が判明した後の5月1日から37度前後の発熱があり、6日には全身の倦怠けんたい感や味覚障害も加わった。症状に改善が見られず、7日に再度PCR検査を受け、感染が確認された。4月12日以降は一度だけ10分程度の買い物に出掛けたが、マスクを着用していた。[br] 同病院には、クラスター(感染者集団)が発生した十和田市内の認知症グループホームの入居者らが入院。感染症病棟に勤務する男性の妻ら女性看護師4人が感染し、県が院内感染と結論付けた。[br] 院外でも感染者が確認されたことについて、有賀部長は「想定できる範囲。外での接触機会も少なく、封じ込めはできている」とし市中で感染が広がる可能性は低いとの見方を示した。[br] 県は7日に外出自粛要請の内容を緩和し、遊興施設などに対する休業要請を解除したばかり。県の対処方針に与える影響について、有賀部長は「つながりが追えない状況ではなく、県の対応を変える必要はないと認識している」と述べた。