【新型コロナ】感染症拡大時の避難所運営「避難者の安全確保」「感染症対策」両立に腐心、対応急ぐ/青森県内自治体

感染症がまん延する中での避難所運営について、青森県内の自治体は最適な形を模索する(写真はイメージ。本文とは関係ありません)
感染症がまん延する中での避難所運営について、青森県内の自治体は最適な形を模索する(写真はイメージ。本文とは関係ありません)
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、青森県内の自治体が、避難所運営に危機感を募らせている。避難所は、密閉・密集・密接の「3密」条件がそろいやすく、感染防止対策と相反する状況となる可能性があるためだ。今、災害が発生したらどうするのか―。各自.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、青森県内の自治体が、避難所運営に危機感を募らせている。避難所は、密閉・密集・密接の「3密」条件がそろいやすく、感染防止対策と相反する状況となる可能性があるためだ。今、災害が発生したらどうするのか―。各自治体は避難者の分散収容を考えたり、衛生用品の備蓄を進めたりと、「避難者の安全確保」と「感染症対策」を両立するための対応を急いでいる。[br] 地震や津波などの自然災害が発生した際に開設される避難所は、一度に大勢の人が身を寄せる。災害の規模によっては、開設期間が長期にわたる可能性もある。感染症がまん延している場合、避難所の運営に当たる自治体の担当者らは、避難者の安全を確保する取り組みに加え、感染症対策を同時に行うことも求められる。[br] 新型コロナウイルスが猛威を振るった4月、国は各都道府県や保健所を設置する市などに対し、避難所を開設する際の留意点をまとめた通知を出し、事前の準備を進めるよう要請した。[br] ただ、県内の自治体関係者からは「十分な対応を取れるか不安」との声も上がる。県南地方のある首長は「今は災害が起きないことを願うしかない」と本音を漏らす。災害時は必要な避難所を開設してできる限りの対策は取るつもりだが、感染を恐れて市民が避難せずに被災するケースも想定されるといい、どの形が最適かの判断に迷っている―と打ち明ける。[br] 感染の終息が見通せない現状で、大規模災害が起きた場合について八戸市は、開設する避難所の数を増やして一つの施設に収容する人数を分散させ、部屋もできるだけ分けることで避難所での3密を回避する方針を示す。[br] さらに、避難所内での避難者同士の間隔を取るほか、検温の実施や衛生環境を十分に整えるなどし、状況に応じて親戚や友人宅への避難を誘導することも検討する。既に、マスクや消毒液などの備蓄も始めるなど、有事を想定した備えを進めているという。[br] 感染症がまん延する中での避難所の開設は、各自治体とも難しい対応を迫られる。全国では、運営マニュアルの抜本的な見直しに乗り出す動きもあり、各地で運営の在り方に関する模索が続いている。[br] 同市防災危機管理課の下村晃一課長は「市では保健所などと十分に連携し、適切に対応する。有事の際は人命を最優先に、避難者の体調や健康管理に配慮した運営に当たりたい」と強調する。感染症がまん延する中での避難所運営について、青森県内の自治体は最適な形を模索する(写真はイメージ。本文とは関係ありません)