新型コロナウイルスの緊急経済対策として、全国民に一律10万円を現金給付することを盛り込んだ国の2020年度補正予算が30日の参院本会議で可決、成立した。北奥羽地方の市町村では早期の支給開始に向け、事務作業が本格化。本紙の調べでは、北奥羽地方の多くの市町村で5月中にも順次支給が始まる見込みだ。事務作業が大幅に増えるため、各市町村では連休を返上して急ピッチで作業を進める。[br] 給付金は住民基本台帳に登録されている全ての人が対象で一律10万円。マイナンバーカードを使ったオンライン申請のほか、市町村が各世帯に送付する書面に必要事項を記入して申請すると、指定の銀行口座に振り込まれる。申請の受け付けや給付の開始日は各市町村が決定する。[br] 支給には市町村議会で関連予算の議決を経るか首長による専決処分が必要となる。むつ市では30日に開かれた市議会臨時会で給付金事業費を盛り込んだ20年度一般会計補正予算案を可決。同日中に単身受給世帯1万3084世帯に向けて申請書を発送し、北奥羽地方では最も早い5月7日に支給が始まる見通しになった。複数受給世帯向けの申請書の発送は5月8日にも行い、順次支給をスタートさせる構えだ。[br] 久慈市と野田村も臨時議会での議決を経て5月1日に申請書を発送する予定。両市村とも5月の第3週(11~15日)にも支給を始める。[br] 三戸町は妊産婦の負担軽減や窓口の混雑を避けるため、一般町民に先駆けて妊産婦を対象に4月28日に申請書を発送済み。5月18日にも妊産婦に支給を開始予定で、一般町民には5月11日に申請書送付を始める。[br] 対象世帯が約11万世帯に上る八戸市は「特別定額給付金室」を設置し、職員約10人が事務作業に当たる。5月の連休明けにも申請書の発送を始め、早ければ5月中にも支給を始める見込み。連休中も休日返上で作業に当たるといい、市の担当者は「新型ウイルスの影響で生活が苦しい市民も少なくない。早めに支給できるよう準備を進めたい」としている。