天鐘(4月27日)

今や若者の憧れといえばユーチューバー。さまざまな挑戦や音楽など自作の動画を投稿し、再生回数に応じて広告収入を得る。まさにインターネット隆盛の時代の象徴だが、あの職業の人気は根強いようだ▼スポーツ選手である。先日の紙面によると、「将来就きたい.....
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 今や若者の憧れといえばユーチューバー。さまざまな挑戦や音楽など自作の動画を投稿し、再生回数に応じて広告収入を得る。まさにインターネット隆盛の時代の象徴だが、あの職業の人気は根強いようだ▼スポーツ選手である。先日の紙面によると、「将来就きたい職業」の調査で男子は22年連続のトップ。対象はランドセルを購入した新1年生。イメージするのは大リーグで活躍する大谷翔平選手か。瞳を輝かせて答える様子が目に浮かぶ▼中高生になると様相は変わる。技術者や公務員が上位に顔を出す一方、スポーツ選手は徐々に低下。確かにプロへの道は狭くて険しい。将来の道の選択が迫るにつれ、より安定を求める志向がうかがえる▼夢を追いながら、大好きなスポーツを続けてきた。それでも競技としてはひと区切り―。そんな高校3年生は多い。集大成になるはずだったインターハイが中止になった。青森県の高総体もなくなる▼新学期を迎えて一時は再開したものの、当たり前だった学校が休みとなり、部活動も停止して2カ月。苦楽を共にした仲間との思い出は深く、人間的に成長した実感もあるが…。このまま引退では、あまりに悔しい▼憎らしい感染症は人命だけでなく、生活の自由、人生の節目を奪い続ける。代替大会は実現できるか。目標を失った子どもたちに何らかのゴールを。事態を制御できないのが、もどかしい。