【青森・コロナ確認1カ月】接触減らすのが終息への鍵/専門家に聞く

新型コロナウイルスの現状や感染防止策について解説する大西基喜医師=20日、青森市内
新型コロナウイルスの現状や感染防止策について解説する大西基喜医師=20日、青森市内
全国的に感染が拡大し、終息の見通しが立っていない新型コロナウイルス。青森県内でもクラスター(感染者集団)が確認されるなど、予断を許さない状況が続く。県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師(70)に県内の現状と感染防止対策などを聞いた。 .....
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 全国的に感染が拡大し、終息の見通しが立っていない新型コロナウイルス。青森県内でもクラスター(感染者集団)が確認されるなど、予断を許さない状況が続く。県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師(70)に県内の現状と感染防止対策などを聞いた。[br] ―県内で初の感染者を確認して1カ月になる。現状をどう見るか。[br] 上十三と五所川原の両保健所管内で感染経路を特定できなかった事例が2件発生した。感染拡大の懸念があったが、封じ込めすることができている。だが、県内には大都市から人が少しずつ継続的に流入しており、特に大型連休は人の移動が避けられない。感染流行地からウイルスの持ち込みを起点に、クラスターが発生する危険は常にある。[br] ―十和田市の認知症グループホームで経路が不明なクラスターが発生した。市中感染の可能性は。[br] 感染者に濃厚接触した人や、その関係者の健康観察は問題なく進んでいる。クラスターが発生したことによって、その分PCR検査の数が増加しているが、今まで陽性が確認されていないので市中感染が広まっている感じではない。ただ、市中感染が絶対ないとは言い切れず、どこかで感染経路がつながっている可能性は否定できない。[br] ―無症状の感染者からうつるリスクは高いのか。[br] 感染者がウイルスを排出する量は、咳など症状があるほど多い。特に密閉、密集、密接の「3密」の中では飛沫ひまつなどを浴び、ウイルスを媒介する確率が高くなる。[br] 一方、無症状者は普通に会話をする限りでは、人にうつすことは非常に少ない。ただし、ウイルスの排出量はゼロではないので、3密の場所や介護施設など人との距離が近くなる環境であれば、人に感染させる可能性はある。[br] ―終息への鍵は。 新型ウイルスは、当初は感染者1人が2~3人にうつすと言われていた。「ウイルスの感染力」に加え、「接触回数」と「感染期間」が増大すれば、感染が拡大していく。現在は薬やワクチンがないため、感染期間を短縮することはできず、人との接触を減らすことが最終的に終息への道につながるはずだ。新型コロナウイルスの現状や感染防止策について解説する大西基喜医師=20日、青森市内