青森県教委は本年度から、生徒の希望に応じた求人の開拓や進路相談に当たる「就職支援員」を県内の一部高校に配置する。配置先は工業、農業、商業高校の9校で、一般から支援員を募集。外部人材を活用することで学校と企業の情報共有を促し、高校生の県内定着率向上を図りたい考えだ。[br] 県内の高校では、県内就職希望者の割合に比べ、実際に就職する生徒の割合の低さが課題となっている。県教委学校教育課によると、2019年3月に県内の高校を卒業して就職した生徒のうち、県内企業に就職したのは53・3%。前年5月末時点では62・8%が県内就職を希望しており、実際との開きが約9ポイントあった。[br] 同課の下山敦史主任指導主事は「県内で就職したい生徒が、県内企業をあまり理解していない」と指摘。就職指導はこれまで各校の教員が担っていたが、各校が企業側の事情をより詳しく把握して生徒に伝える必要があると判断し、外部の人材を活用することにした。[br] 本年度の任用期間は5月から来年2月末まで。支援員は各校1人ずつで、県南地方の配置先は八戸工、むつ工、十和田工、三本木農業。県内就職率が例年45%程度にとどまる工業高校については、県内全6校に配置する。 生徒の希望に応じて企業の情報収集などに当たるほか、要望があれば配置校近隣の高校からの進路相談にも対応する。[br] 下山主任指導主事は「県内にも選択肢があることが周知されればいい。まずは県内就職を希望する人を取りこぼさないようにする」と話した。