【新型コロナ】高齢者施設でガラス越しに面会 家族と入居者の心つなぐ/サンライフ豊寿苑(八戸)

ガラス越しに家族と面会し、表情を緩ませる入居者=15日、八戸市 
ガラス越しに家族と面会し、表情を緩ませる入居者=15日、八戸市 
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で介護施設でも警戒が強まる中、八戸市の介護老人保健施設サンライフ豊寿苑(佐藤貞治施設長)では今月上旬から、入居者と家族が接触せずに面会できるよう、ガラスの壁を利用した面会スペースの設置を始めた。ガラス越しの.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で介護施設でも警戒が強まる中、八戸市の介護老人保健施設サンライフ豊寿苑(佐藤貞治施設長)では今月上旬から、入居者と家族が接触せずに面会できるよう、ガラスの壁を利用した面会スペースの設置を始めた。ガラス越しのため会話は難しいものの、約2カ月ぶりの再開に涙ぐむ入居者も。入居者と家族の「会いたいけど会えない」というストレスを解消したい―という職員の思いから生まれた心温まるアイデアが、家族と入居者の心をつないでいる。[br] 同施設では、インフルエンザ流行期の毎年10月~翌年4月頃に面会を制限していたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月頃には面会を全面禁止。家族を含む外部からの立ち入りができなくなった。[br] どうにかして入居者の様子を家族に伝えたいと考えたスタッフは、入居者の写真を映したモニターを玄関に設置したり、写真に手紙を添えて家族に渡したりするなどして、会えない不安や寂しさを和らげる工夫をしてきた。 ただ、認知症の入居者も多く、長引く面会禁止の理由が分からずに「どうして家族が会いにきてくれないのだろう」という不安から、情緒不安定になる人も少なくなかったという。[br] 入居者や家族の「会いたい」という願いをかなえるため、スタッフで知恵を出し合い、もともとガラス張りだった壁を利用した面会場所を準備。4月上旬から利用できるようになった。[br] 15日、入居する母(93)の面会に訪れた大堀純子さん(65)と佐々木昭子さん(70)姉妹は久しぶりに見る母の笑顔にほっとしたという。2人は「今の状況は理解しているつもりだけど、少しの時間でも会えるのと会えないのとでは安心感が全然違う。うれしいよね」とほほを緩ませる。[br] 同じく母親(73)に会いに来た市内の女性は「すごいアイデア。言葉を交わさなくても顔を見られるのがうれしい。スタッフの心遣いに『ほっこり』している」と、うれしそうに手を振る母の姿を見つめていた。[br] 同施設の小林幸主任は「先行きが見えない中でも、お互いが気持ちを共有し安心してもらえたら」と期待を込める。ガラス越しの面会や家族への手紙に対して、感謝の言葉も寄せられているといい、「とても励みになる。これからもできることを工夫して取り組んでいきたい」と話していた。ガラス越しに家族と面会し、表情を緩ませる入居者=15日、八戸市