【新型コロナ】経済損失「計り知れない」/青森ねぶた祭中止

青森ねぶた祭などのポスターが並ぶ青森県庁内。一部祭りの中止で今年分との差し替えが滞っている=8日
青森ねぶた祭などのポスターが並ぶ青森県庁内。一部祭りの中止で今年分との差し替えが滞っている=8日
青森県内の4大祭りとして高い知名度を誇る青森ねぶた祭、八戸三社大祭、弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多(たちねぷた)。2019年の合計入込客数は727万人に上り、開催が集中する8月上旬は、県内が最もにぎわう時期となる。特に中心的な存在だった.....
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 青森県内の4大祭りとして高い知名度を誇る青森ねぶた祭、八戸三社大祭、弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多(たちねぷた)。2019年の合計入込客数は727万人に上り、開催が集中する8月上旬は、県内が最もにぎわう時期となる。特に中心的な存在だったねぶた祭が今年の開催を断念した影響について、県内の観光、商工関係者は「経済損失の規模は計り知れない」と懸念。一方、「じっと脇を固めて経営体力を温存し、将来に備えたい」とも述べ、新型コロナウイルスが終息した後の観光需要の回復に望みをかける。[br] 観光産業は飲食や宿泊、小売や交通など関係する業種が多く、経済的な影響は広範囲に波及しそうだ。[br] ホテルや旅館約230社が加盟する、県旅館ホテル生活衛生同業組合の岩谷達造事務局長は「いつ収まるか分からないので、諦めて廃業する業者が増えないか心配だ」と憂慮する。[br] 青森銀行の子会社で地域経済の調査研究を行う、あおもり創生パートナーズ(青森市)は、ねぶた祭の中止だけでも100億円を超える需要が喪失すると予測。松田英嗣地域デザイン部長は「市民の消費意識のさらなる低下が懸念される。事業者側は行政や金融機関のさまざまな支援を活用し事業を継続してほしい」と求める。[br] ねぶた祭の中止は、県内各地の祭りの開催にも影響を及ぼすと見られる。県版DMO(観光地域づくり推進法人)の県観光連盟の高坂幹専務理事は「観光事業者などにとって、最大の収益元を失う。もし4大祭りが全て中止となれば、損失は甚大だ」と警戒する。[br] その半面、今回の危機を、夏の短い期間にあるイベントに依存してきた県内観光の在り方を見直す機会とも考える。高坂専務理事は「青森には有力な観光資源がたくさんある。通年観光の確立を目指すきっかけとして前向きにとらえたい」との姿勢を示した。青森ねぶた祭などのポスターが並ぶ青森県庁内。一部祭りの中止で今年分との差し替えが滞っている=8日