【新型コロナ】異例の新学期どう過ごした/八戸 記者ルポ

八戸市立江陽小では、テレビを使った始業式を実施した=7日
八戸市立江陽小では、テレビを使った始業式を実施した=7日
八戸市内の多くの市立小中学校は7日、新学期の始業式と入学式を行った。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各校は異例ずくめの対応に追われた。8日からは児童生徒の安全確保のため、17日まで休校となる。異例の新学期のスタートを子どもたちはどの.....
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 八戸市内の多くの市立小中学校は7日、新学期の始業式と入学式を行った。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各校は異例ずくめの対応に追われた。8日からは児童生徒の安全確保のため、17日まで休校となる。異例の新学期のスタートを子どもたちはどのように過ごしたのか、市立江陽小(豊島匡生校長)の1日に密着した。[br] 「元気にしてた?」。午前7時半ごろ、豊島匡生校長は玄関前に立ち、同じくマスク姿の在校生と保護者を迎えていた。同校は休校期間中、出校日を設けなかったため、3月3日以来、36日ぶりの登校となる。[br] 各学年1学級でクラス替えがないため、久々の再会に子どもたちの笑顔は絶えない。「やっぱりあるんだね」。玄関に並べられた、消毒用アルコールでの除菌作業も手慣れた様子だ。[br] 6年1組は担任が替わった。前年度の6学年担任だった木村千穂子教諭が登場すると、教室内が歓声に包まれる。「お休みの間、どうだった?」「暇でしたー」。机には新しい教科書や連絡書類、宿題が一そろい。学校再開までに、少しだけ楽しみができた。[br] 始業式は体育館に集まらず、学級にとどまり、テレビを使って放送することに。とはいえ、教室内の“人口密度”もそれなりに高い。各教室は窓を開放しつつ、ストーブを稼働させた。[br] 8時10分、テレビのスイッチが入る。開式の辞に臨む男性教員の姿に、子どもたちは不思議そうな表情。木村教諭が「新しい教頭先生ですよ」と付け加えた。誰が新任の教員なのか、子どもたちはまだ知らない。[br] 豊島校長はテレビ越しに、休校措置の理由を説明。「この大変な中でも、みんなが困らないよう頑張っている人々への感謝を忘れないで」と強調した。 在校生が学年ごとに帰宅する間、新入生36人と保護者が続々と登校してきた。受け付けを済ませると、2階の新教室で教科書や学用品を受け取り、そのまま体育館へ向かう一方通行の動線。対面ですれ違わないようにとの配慮だ。[br] 入学式は予定の午前10時より15分早く開始。来賓はPTA会長と、市立江陽中の校長の2人に制限。在校生も代表あいさつを担う1人だけの出席のため、校歌斉唱は省略、君が代もピアノ演奏のみとした。[br] 出席者が最も“密集”したのは、式典後の集合写真撮影だった。一緒に写れる保護者は1人だけ。子どもたちの表情をつくるため、撮影者が元気な掛け声を求めると、豊島校長が「それはちょっと」と制した。大声を出すのも感染リスクにつながるためだ。[br] 豊島校長は「まずは児童の元気な様子が確認できて良かった」と安心しつつ、「休校の延期によるストレスは相当あるはず。学校再開後のケアなどにも配慮しなければ」と課題を挙げた。八戸市立江陽小では、テレビを使った始業式を実施した=7日