新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7日夕に発令された緊急事態宣言。対象地域は東京や神奈川、大阪など7都府県となるが、国民生活や経済活動に大きな影響が予想されるだけに、青森県内でもさまざまな思いが交錯した。住民からは、国内の急速な感染の広がりを抑えることで「青森県内の感染の抑制にもつながってほしい」との願いの一方、「地方へと避難する人も増えるのでは」との懸念も。県内を訪れるビジネスマンは「仕事はどうなってしまうのか」と不安を吐露した。[br] 「対象地域を問わず、不要な外出の自粛について、あらためて国民全員が重く真剣に考えるべきだ」と話したのは十和田市の会社員佐藤裕介さん(37)。緊急事態宣言の発令を機に「県内の感染も少しでも抑制されれば」と期待しつつも、不要な外出を制限するため、「もう少し強制力があってもいい気がする」とも語った。[br] 小中学校に通う2人の子どもを育てる八戸市の会社員中田沙織さん(42)は対象地域から地方への人の移動が起きることを心配する。「ニュースを見ていても、古里へ戻った人の感染が確認されるケースも多い」と指摘。「もし自分が都内にいたら、不安で同じような気持ちになると思うが、お願いだから移動を控えてほしい」と求めた。[br] 出張で県内を訪れるビジネスマンにとっては業務の支障にもなり得る。 「本当にこれって終わるのかなあ」。三沢市の三沢空港を利用して帰路に就こうとしていた大阪市の会社員藤井久さん(48)は、事態の終息が見通せないもどかしさから、ため息交じりにつぶやいた。「政府や自治体は対策をよくやっていると思う。ただ、市民の中で、動揺から混乱が起きないかが心配だ」と不安を募らせた。[br] 月に一度、営業のために東北新幹線で八戸市を訪れるという、宮城県多賀城市の男性会社員(65)は「会社から出張を禁止するよう言われてはいないが、今後はどうなるか分からない」と眉をひそめる。「八戸に宿泊しても、居酒屋の利用は自粛している。ただ、ホテルで一人弁当をつつくのは寂しいね」と漏らした。