青森県は3日、クロマグロの第6管理期間(20年4月~21年3月)の県計画を公表した。今月1日時点で大型魚(30キロ以上)460・8トン、小型魚(30キロ未満)256・3トンと共に昨期とほぼ同じ水準だが、台湾の移譲分などで若干増える見込み。今期は各漁協に割り当てられた漁獲枠の半分を漁期に合わせて調整できる仕組みを導入し、枠の最大限の活用を図る。[br] 県が導入した新たな配分の仕組みは、各漁協に割り当てられた枠の半分を「固定枠」とし、残りの半分を各漁協で調整できる「委員会枠」に設定。委員会枠は前期(4~8月)と後期(9月~翌年3月)に分け、前期で残した枠を県内40漁協と県漁連などでつくる管理委員会が回収し、後期分へ再配分する。[br] 各漁協の漁獲枠の年間分と前期分では、大間漁協の大型魚の漁獲枠が、年間で昨期より1・3トン多い191・9トン。前期はクロマグロの漁期ではないため、委員会枠を0トンとし、固定枠96トンのみとした。[br] 新深浦町漁協は定置漁業の場合、小型魚の年間分の漁獲枠は76・4トンで、前期の委員会枠を36・7トン、固定枠を38・2トンとした。[br] 第5管理期間(19年4月~20年3月)の県内のクロマグロ漁獲量は、漁期をほぼ終えた2月末時点で大型魚が324・4トン、枠の消化率は86・5%。小型魚は258・5トンで89・4%だった。[br] 県は今後、第5管理期間で消化しきれなかった枠の繰り越し分を第6管理期間に追加するほか、後期分の漁獲枠を発表する。[br] 県水産振興課の山中崇裕課長は取材に「漁控えなどで余った各漁協の枠を有効活用してもらえる仕組みにした」としている。