今冬の八戸 降雪量は平年の半分以下

青森県内は今冬、暖冬少雪の傾向が続いた。青森地方気象台によると、八戸の2019年12月~20年2月の3カ月間の平均気温は1・4度で平年値0・1度を1・3度上回り、1936年の統計開始以来、5番目に高かった。同時期の累積降雪量は83センチと平.....
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 青森県内は今冬、暖冬少雪の傾向が続いた。青森地方気象台によると、八戸の2019年12月~20年2月の3カ月間の平均気温は1・4度で平年値0・1度を1・3度上回り、1936年の統計開始以来、5番目に高かった。同時期の累積降雪量は83センチと平年の半分以下だった一方、降水量は266・5ミリで平年の128・5ミリより多かった。気温が高い傾向は4月以降、次第に収まる見込みだが、今後は積雪が少ないことにより農業などの水不足が懸念される。[br] 八戸の平均気温は、12月が2・2度(平年値1・8度)、1月が0・8度(マイナス0・9度)、2月が1・1度(マイナス0・5度)で、平年より0・4~1・7度高かった。最高気温が0度を下回る「真冬日」は、平年は12月からの3カ月間に12・4日観測しているが、今冬は4日にとどまった。[br] 青森では1月の平均気温が0・9度で、1903年以来117年ぶりに同月の最高気温を塗り替えた。[br] 冬は晴れた日が多い八戸だが、低気圧の影響で今冬の日照時間は351・5時間と平年の91%。気温が高い影響で雪が少ない分、雨が多く、累積降雪量は県内で軒並み平年の半分以下だった。[br] 同気象台の外川千良調査官は、暖冬少雪傾向の背景として▽偏西風の北への蛇行▽正の北極振動が明瞭▽地球温暖化―の3点を挙げる。[br] 南の暖かい空気と北の冷たい空気の境目となる偏西風が日本列島付近で北に蛇行し、暖かい空気が流れ込みやすかった。さらに、北極圏に寒気がたまる「正の北極振動」によって寒気が南下しにくくなり、西高東低の冬型の気圧配置が長続きしなかったという。偏西風に伴う低気圧の接近で降水量も増えた。[br] 少雪で懸念されるのは水不足だ。積雪が少ない影響で、農作業などで使われる雪解け水が平年より少ない恐れがあるという。外川調査官は「地球温暖化が進むと、このような気候が増える。雪が少なくて喜んでいる人もいるが危機的状況でもある」と指摘する。[br] 仙台管区気象台が2月25日に発表した6~8月の暖候期予報では、この時期の平均気温は平年並みか高く、降水量もほぼ平年並みの見込み。外川調査官は「冬が暖かい分、夏が寒いのではないかという問い合わせもあるが、今のところその傾向はない」としている。