門出の日「忘れられない日に」 保護者がお祝いサプライズ/八戸一中

お祝いの会で保護者(左)からプレゼントを受け取る卒業生=14日、八戸市立第一中
お祝いの会で保護者(左)からプレゼントを受け取る卒業生=14日、八戸市立第一中
八戸市内の多くの中学校で14日、卒業式が開かれた。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、式典内容を簡素化したり、出席者がマスクを着用したりと各校は異例の対応を余儀なくされた。一方、「中学最後の日を思い出に残るものにしてあげたい」と、八戸.....
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 八戸市内の多くの中学校で14日、卒業式が開かれた。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、式典内容を簡素化したり、出席者がマスクを着用したりと各校は異例の対応を余儀なくされた。一方、「中学最後の日を思い出に残るものにしてあげたい」と、八戸市立第一中(澤田尚校長)では、式典後に保護者が生徒に内緒で「お祝いの会」を企画。突然の一斉休校で不安と戸惑いが残ったまま迎えた門出の日だったが「忘れられない日になった」と卒業生たちはサプライズ演出を喜び、式場には明るい笑顔が広がった。[br] 同校では、卒業生142人と澤田校長ら一部の教職員はマスクを着けずに臨んだが、保護者と在校生はマスクを着用。来賓はPTA会長1人のみで式歌や教育委員会告辞などを省略し、例年より20分ほど早く式を終える対応をとった。[br] 式典終了後、何も知らずに再び体育館に卒業生たちが入場すると、保護者の大きな掛け声が響いた。「一中、令和元年度卒業生。今輝ける未来へ」―。厳かな式とは打って変わり「一中卒業生に最善で最大のお祝いをっ!!」と銘打ったお祝いの会がスタートした。[br] 新型コロナウイルスの影響で通常の卒業式ができないと知った保護者有志が発案。例年、実施している祝賀会が中止になったことも踏まえ、「記憶に残ることをやってあげたい」と、2月末に実行委員会を立ち上げ、急ピッチで準備を進めてきた。[br] 会では、DVDの上映や保護者からわが子へ祝い菓子をプレゼント。最後に保護者全員と卒業生が向かい合い、保護者がはなむけのエールを送って会を締めくくった。[br] 何も知らなかった卒業生たちは少し驚きつつも喜びの表情を見せた。橋爪翔さん(15)は「僕たちのためにお祝いの会を開いてくれてうれしい。感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔。兼田百萌さん(15)は「卒業式自体できるか不安だった」と一斉休校中を振り返り「忘れられない日になった」と話した。[br] 本年度の卒業生は、東日本大震災の時に幼稚園や保育園の年長だった世代。震災で卒園式もままならなかった生徒も少なくない。実行委員長を務めた関口恵さん(50)は「9年前は卒園式ができず、中学校の卒業式も普通にできないのはかわいそう。何とかしてあげたかった」と強調。「みんな笑顔だったのでサプライズは大成功。夢に向かって羽ばたいてほしい」と願いを込めた。お祝いの会で保護者(左)からプレゼントを受け取る卒業生=14日、八戸市立第一中