【震災から9年】「心はいつものだ村民」 野田村サポーター千人突破、全国で広がる確かな絆

「心はいつものだ村民」の登録証を掲げる東京都交響楽団の団員(野田村提供)
「心はいつものだ村民」の登録証を掲げる東京都交響楽団の団員(野田村提供)
東日本大震災で甚大な被害を受けた野田村で、村外在住者を対象としたサポーター制度「心はいつものだ村民」の登録者数が千人を超えた。人口約4200人の小さな村にとって、千人を超える“準村民”の存在は今後の地域づくりで大きな力になる。復興支援をきっ.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 東日本大震災で甚大な被害を受けた野田村で、村外在住者を対象としたサポーター制度「心はいつものだ村民」の登録者数が千人を超えた。人口約4200人の小さな村にとって、千人を超える“準村民”の存在は今後の地域づくりで大きな力になる。復興支援をきっかけに生まれた多くの出会いが、確かな絆となって全国に広がっている。[br] 村に愛着を持ち、心のふるさととして応援する人を会員として登録し、つながりを深めてもらう取り組み。のだ村民に決まった役割はないが、村を時々訪れたり、村の話題を発信したりと長く自然な交流を期待している。[br] 制度は2015年8月にスタート。17年5月に500人に達し、昨年11月に千人を突破した。復興ボランティアや他の自治体の応援職員をはじめ、支援に訪れた各種団体や大学の関係者、さらにはその周囲の人にも輪が広がる。村側も当初はここまで登録者が増えると想定しておらず、驚きを持って受けとめている。[br] 6年連続で村内でコンサートを開催する東京都交響楽団も支援団体の一つ。団員の多くがのだ村民となり、コンサート以外でも旅行で村を訪れたり、反対に村民が都内での公演を見に行ったりと、新たな交流を生んでいる。[br] 村未来づくり推進課の廣内鉄也総括主査は「震災後の多くの出会いをいっときのもので終わらせず、見える化して末永く続けていきたかった。想像していた以上のつながりに発展している」と強調する。[br] 登録者には、村内の「だらすこ工房」が製作した木の板に、地元の久慈工業高が作った焼き印を押し、小田祐士村長が直筆で氏名をしたためた登録証を交付。イベント情報を定期的にメールで配信するほか、協賛店で登録証を提示すれば割引や1品無料といったサービスが受けられる特典もある。[br] 登録者数は今月10日現在で41都道府県に住む1033人に増えた。小田村長は「将来、仮に村の人口が減っていったとき、のだ村民の存在がその部分をカバーしてくれる面もあると思う」と期待する。のだ村民が集まって横の連携を生み出すイベントなど、新たな展開も視野に入れている。[br] サポーターの登録は、村未来づくり推進課で受け付けている。「心はいつものだ村民」の登録証を掲げる東京都交響楽団の団員(野田村提供)