【八戸市栽培研究リポート】(4)ピーマン

施肥の回数で成長を比較した「ピクシー」(八戸市農業経営振興センター提供)
施肥の回数で成長を比較した「ピクシー」(八戸市農業経営振興センター提供)
ピーマンは三八地域における主力農産物の一つで、近年は「ピクシー」という品種が、従来の「かがやき」に代わってシェアを広げている。 ピクシーは果肉の形の乱れが少なく、収量も多い長所がある一方、成長の勢いが強く、多くの養分を消費する。地中の肥料不.....
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 ピーマンは三八地域における主力農産物の一つで、近年は「ピクシー」という品種が、従来の「かがやき」に代わってシェアを広げている。[br] ピクシーは果肉の形の乱れが少なく、収量も多い長所がある一方、成長の勢いが強く、多くの養分を消費する。地中の肥料不足で成長が停滞してしまうと、追肥をしても回復までに時間が掛かり、品質低下や収穫の遅れが生じる可能性がある。[br] 八戸市農業経営振興センターは2019年度から、定植後の追肥について、総量は変えず、回数を増やした方が効果的なのでは―との考えに基づき、検証に着手した。[br] 5月に苗を定植した後、7~9月に25日おきの3回に分けて追肥した場合と、20日おきの計4回の場合とを比較。肥料の合計総量は同じにした。収穫は6月下旬から10月末まで。9月下旬以降は灰色かび病やオオタバコガの虫害が散見された。[br] 最終的な結果では10アール当たりの収量、A品率、A品収量とも4回追肥の方が上回った。ただ、追肥は降雨の時期とのタイミングも重要になる。地中の肥料は水分に溶け出すことで植物に吸収されるからだ。今回は期間中、雨の少ない時期が断続的に続いたことでタイミングが合わず、9月の収量が一時落ち込んだ。[br] 調査を担当した田茂竜児技査は「特に4回追肥の場合、降雨とのタイミングの影響がより顕著に出やすいようだ。天候の影響も含め、追肥の方法は今後、さらに検証が必要」と今後の調査課題を挙げた。[br] ピーマンについては他に、ピクシー以外の品種との比較も行う予定だ。施肥の回数で成長を比較した「ピクシー」(八戸市農業経営振興センター提供)