サケ採卵で海と川の漁協が協力

八戸沖の定置網で漁獲したサケをトラックに積み込む関係者ら=1月23日午前5時20分ごろ、八戸市第3魚市場
八戸沖の定置網で漁獲したサケをトラックに積み込む関係者ら=1月23日午前5時20分ごろ、八戸市第3魚市場
全国的な不漁に見舞われたサケ漁の回復を目指し、八戸市南浜漁協がこのほど、八戸沖の定置網で取ったサケを十和田市の奥入瀬川鮭鱒(さけます)増殖漁協に提供した。同漁協で採卵、受精させた後、南部町の馬渕川さけ・ます増殖漁協に受精卵を送ってふ化させ、.....
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 全国的な不漁に見舞われたサケ漁の回復を目指し、八戸市南浜漁協がこのほど、八戸沖の定置網で取ったサケを十和田市の奥入瀬川鮭鱒(さけます)増殖漁協に提供した。同漁協で採卵、受精させた後、南部町の馬渕川さけ・ます増殖漁協に受精卵を送ってふ化させ、春に放流する予定。関係者は「海と川の協力体制をつくりたい」と口をそろえる。[br] 青森県内の各河川は昨年秋以降、サケの遡上(そじょう)が低迷。県内サケ河川捕獲速報によると、太平洋側は先月20日現在で採卵数8942万7千粒と、前年比46%にとどまっている。[br] 南浜漁協は、県内では主に河川の漁協が実施している放流事業を支援しようと、奥入瀬川漁協にサケの提供を打診。昨年暮れに2年ぶりで事業を再開した馬渕川漁協が、ふ化と放流を手掛けることになった。[br] 先月15、20、23日の3回にわたり、サケ計79匹を提供。いずれも八戸市第3魚市場の岸壁で、漁協関係者が定置網から水揚げしたサケをトラックに移し、奥入瀬川漁協に運んだ。[br] 海生親魚の内水面漁協への提供は、8年ほど前から遡上群の早期化を目的に、おいらせ町の百石町漁協が奥入瀬川漁協へ向け実施。また、岩手県でも同様の取り組みが行われている。[br] 百石町漁協の関係者は「ふ化場と一本化すれば何かとやりやすくなる。今後も継続することで成果が出ると思う」と話している。[br] 八戸市水産事務所によると、八戸沖の定置網によるサケの漁獲は、2019年は数量が746トン(メス351トン、オス395トン)で前年比41%減、金額は5億7861万円(メス4億3310万円、オス1億4551万円)で27%減と振るわなかった。[br] 一方、20年1月1~31日では数量が30トン(メス19トン、オス11トン)で58%増、金額は2186万円(メス2017万円、オス168万円)で153%増となっており、漁期が遅れる傾向が顕著だ。[br] 南浜漁協の深川修一組合長は「苦しい状況は海、川とも同じ。協力して乗り切っていけば」と話している。八戸沖の定置網で漁獲したサケをトラックに積み込む関係者ら=1月23日午前5時20分ごろ、八戸市第3魚市場