▽2回戦
弘中央 10361|11
南部工 00001| 1
(5回コールド)
(弘)相馬、成田―工藤
(南)日沢、山道―山道、中島
▽本塁打 種市(弘)
▽三塁打 工藤(弘)▽二塁打 藤川(弘)日沢、中島(南)▽暴投 日沢2、山道(南)
【評】南部工は四回、3点本塁打を浴びるなど、打者一巡の猛攻で6失点。0―11で迎えた五回、1死から見付が四球で出塁。続く中島が右翼線に二塁打を放ち、1点を返したが、反撃はここまで。毎回走者は出したものの、あと1本が出なかった。
【写真説明】「支えてくれたみんなのために」―。5回に適時打を放ち、全校応援のスタンドにガッツポーズで応える南部工の中島寛暁主将。塁上で涙があふれた
感謝の一振り 涙あふれ
「支えてくれたみんなのために」―。五回1死、0―11で後はない状況、南部工の中島寛暁主将が思いを込めて振り抜いた打球は、 左中間を破り待望の得点を生んだ。51人の全校生徒や保護者らの見守るスタンドが大きく沸いた。ガッツポーズでスタンドに応える中島。万感の思いがあふれ、塁上で涙が止まらなかった。
閉校が決まったのは2008年度。それでも、小中学校で一緒だった仲間と地元で野球をしたくて、福地中から南部工へ進学した。当時の1年生は6人。毎年先輩が卒業するたびに「3年生だけで、夏の大会に出られるのか」不安になった。
1人が途中から加入し同学年は7人になったが、それでも9人に届かな
い。学校側も総力を挙げ“最後の野球部”をサポートした。卓球部やバスケットボール部の部員たちが参加。高総体後は8人が加わり、15人で練習を積んできた。
自分も学校も最後の夏、「楽しんで、絶対に勝とう」。チームは
一つになった。そして迎えた晴れ舞台。点を取られても笑顔で、いきいきとプレーした。敗れはしたが、中島は「小学3年から野球をしてきたけど、一番声が出て、笑顔でできた。きょうの試合を忘れない」。涙を流す仲間に感謝を伝えた。
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2014年夏季県大会・2回戦 弘中央 VS 南部工 [/right]