「共助の経験、忘れないで」 震災支援の経験まとめた冊子再刊

東日本大震災で帰宅困難となった旅行者について、尻内地区の町内会が協力して支援した記録集を再刊した、三条目町内会の小関勉会長
東日本大震災で帰宅困難となった旅行者について、尻内地区の町内会が協力して支援した記録集を再刊した、三条目町内会の小関勉会長
八戸市三条目町内会長の小関勉さん(67)が今月、東日本大震災当時にJR八戸駅で帰宅困難者となった旅行者を地域住民らが協力して支援した経験をまとめた冊子を再刊した。冊子は2冊構成。1冊目は当時支援に関わった住民や避難者の証言をまとめて2016.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 八戸市三条目町内会長の小関勉さん(67)が今月、東日本大震災当時にJR八戸駅で帰宅困難者となった旅行者を地域住民らが協力して支援した経験をまとめた冊子を再刊した。冊子は2冊構成。1冊目は当時支援に関わった住民や避難者の証言をまとめて2016年に発行。今回は2冊目として、震災から10年の節目に避難者が寄せたメッセージ、現在は社会人となった当時の小学生の手記などを追録した。小関さんは「経験を風化させてはならない。共助の経験を受け継いでいく必要がある」と意義を強調している。[br][br] 震災当時、同駅では旅行者ら200人以上の帰宅困難者が発生。小関さんが校長を務めていた市立三条小などに避難所が開設され、近隣住民は炊き出しなどで協力して支援した。小関さんは当時の証言を克明にまとめ、冊子化した。[br][br] 再刊は今年2月、新聞紙面で当時の避難者による投書を読んだのがきっかけ。小関さんは「その方が耳が聞こえなかったことを投書で初めて知った。当時もっとできた配慮があったと思った。より良い防災を考えるため、次世代に記録を受け継ぐ必要性を感じた」と語る。[br][br] その後、今も親交のある当時の避難者と連絡を取ってメッセージを募ると共に、当時の児童に防災への思いを語ってもらうなど、追録内容をまとめた。八戸で受けた支援をきっかけに、福島県の避難所で半年間にわたってボランティアを続けた人の話なども盛り込まれ、支援の受け手への防災の輪の広がりを感じ取れる内容となっている。[br][br] 再刊に当たり、小関さんは「今後も、有事に協力し合える町内会でありたい。そのために冊子を通じて助け合う大切さを受け継いでいければ」と力を込めた。[br][br] 冊子は50セットを制作し、希望者には印刷代500円(税込み)で販売する。問い合わせは、小関勉さん=電話0178(27)2897=へ。東日本大震災で帰宅困難となった旅行者について、尻内地区の町内会が協力して支援した記録集を再刊した、三条目町内会の小関勉会長