【野西高生の自殺問題】学校側が第三者委の調査尊重 いじめ否定に遺族反発

2019年1月に八戸学院野辺地西高2年の男子生徒=当時(17)=が自殺した問題で、同校(橋場保人校長)は1日、生徒への一部行為をいじめと認定した青森県の調査部会の再調査結果ではなく、学校法人光星学院が設置した第三者委の「いじめはなかった」と.....
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 2019年1月に八戸学院野辺地西高2年の男子生徒=当時(17)=が自殺した問題で、同校(橋場保人校長)は1日、生徒への一部行為をいじめと認定した青森県の調査部会の再調査結果ではなく、学校法人光星学院が設置した第三者委の「いじめはなかった」とする調査結果を尊重する考えを明らかにした。遺族が求める謝罪にも応じない方針。遺族は「再調査の結果を無視するもので、あまりにも遺族をばかにした対応」と反発している。[br][br] 男子生徒は東通村の自宅で自殺。遺族はいじめの可能性を指摘し、学校側に調査を依頼した。同校を運営する法人が設置した第三者委は19年8月から約1年間調査を行ったが、いじめは認められなかったとし、自殺の原因は「度重なる失恋」と結論を出した。[br][br] 遺族はこれを不服として、県に再調査を要望。県青少年健全育成審議会いじめ調査部会が20年12月から今年3月まで調査し、男子生徒に対する12件の行為のうち、4件を「いじめと認められる」と判断した。ただ、いじめは自殺の一要因としつつも、直接の原因ではないと結論付けた。[br][br] 法人側は3月30日に再調査報告書を受領し、意見をまとめた上で、1日に同校ホームページで見解を公表。「自殺の主要因は交際関係にあるという点で第三者委と一致した」とし、いじめの認識で相違がみられることには「第三者委の調査結果を尊重したい」と主張した。その上で「このたびの出来事を真摯(しんし)に受け止め、教育の充実に一層努める」と再発防止の姿勢を強調した。[br][br] 法人の古川聡常務理事は取材に「再調査と第三者委の結果については、横並びで上下はないと聞いている。内容については見解の相違があると理解している」と語った。[br][br] 学校側の見解について、父親(58)は「どうしても、いじめがなかったことにしたいんだろう」と不快感をあらわにする。学校や法人との認識の差は大きく、「学校がそういう考えであれば、こちらも弁護士を立てて対応を検討していく」と話した。