どうなるGO TO GW控え再開時期注視/観光・宿泊業界、期待と不安

緊急事態宣言の全面解除を受け、客足の回復が期待される十和田市現代美術館(上)と八食センター。感染再拡大に対する懸念も根強い(写真はコラージュ)
緊急事態宣言の全面解除を受け、客足の回復が期待される十和田市現代美術館(上)と八食センター。感染再拡大に対する懸念も根強い(写真はコラージュ)
新型コロナウイルス対策として首都圏4都県に発令していた緊急事態宣言が21日に解除された。人口や消費が集中する東京都内での制約が緩和され、経済的な結び付きがある北奥羽地方でも人の往来やビジネス活動が徐々に動き出しそうだ。ただ、宣言の全面解除が.....
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 新型コロナウイルス対策として首都圏4都県に発令していた緊急事態宣言が21日に解除された。人口や消費が集中する東京都内での制約が緩和され、経済的な結び付きがある北奥羽地方でも人の往来やビジネス活動が徐々に動き出しそうだ。ただ、宣言の全面解除が観光・宿泊業界に与える効果は限定的で、地元事業者は全国停止中の観光支援事業「Go To トラベル」の再開時期を注視する。感染者数がリバウンドすれば、書き入れ時のゴールデンウイーク(GW)を直撃する懸念も根強く、期待と不安が交錯している。[br][br] 昨年9月、東京・銀座エリア近くに開業した八戸都市圏交流プラザ「8base(エイトベース)」。緊急事態宣言を受け、一部イベントの開催を見送るなど、店舗運営が制約された。[br][br] 運営事業者「金剛」(八戸市)の大久保圭一郎社長は「銀座という場所柄、宣言解除で日中の来店客が増えることを期待したい。さまざまなイベントを考え、八戸圏域の認知度向上につなげていく」と強調。「売り上げが伸びれば、商品を作る地元事業者の活性化にもなる」と意欲を示す。[br][br] 同市の八食センターは少しずつ客足が戻り、現在は例年の8割超の水準に回復した。松橋寛事務局長は「宣言の全面解除で外出控えが和らぎ、青森県内や近隣県などの近場の人が来てくれれば」と話す。[br][br] 一方、GoTo再開の動向には気をもんでおり、「書き入れ時のGWに感染拡大の第4波が来てしまわないか心配。感染防止対策をさらに徹底し、安心して買い物ができる環境を整えていく」と緊張感を高める。[br][br] 県外からの観光客が多い十和田市現代美術館は、4月1日に一部の常設作品を入れ替えてリニューアルする。鷲田めるろ館長はGWを見据え、「緊急事態宣言で来館できなかった首都圏の方にも鑑賞してもらいたい。GoToが再開されれば、来館者の増加も見込める」と期待。同時に「美術館は感染リスクが低い施設とはいえ、感染者を出すことがないよう対策を講じていく」と気を引き締める。[br][br] 多様な産業が集積する八戸市は、誘致企業を中心にビジネス関係の往来が活発だ。ただ、宣言発令に伴い大半の企業が出張を制限した。首都圏に本社を置く誘致企業の担当者は「宣言中の出張は原則禁止としていたが、状況を見ながら緩和を検討したい。それでも当面は自粛を続ける」とし、慎重な姿勢を崩さない。[br][br] 地元の宿泊業界も宣言解除を冷静に受け止める。市旅館ホテル協同組合の附田眞輔理事長は「解除されても、GoToが再開されなければ客足は大きく動かないだろう」と指摘。「八戸は出張客が多いまち。観光客と同様にGoTo次第でビジネス利用も回復するのではないか」と語った。緊急事態宣言の全面解除を受け、客足の回復が期待される十和田市現代美術館(上)と八食センター。感染再拡大に対する懸念も根強い(写真はコラージュ)