【21予算をみる 青森県】(下)医療福祉

高齢化が進行する中、認知症患者らの支援充実が急務となっている(写真はイメージ)
高齢化が進行する中、認知症患者らの支援充実が急務となっている(写真はイメージ)
全国的に高齢化が進行する中、青森県では団塊世代が75歳以上となる2025年に高齢化率が35・8%に達し、認知症患者は県の推計値で約8万3千人となる見通しだ。65歳以上の5人に1人が認知症を発症する計算。県は21年度、高齢者支援体制の拡充に向.....
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 全国的に高齢化が進行する中、青森県では団塊世代が75歳以上となる2025年に高齢化率が35・8%に達し、認知症患者は県の推計値で約8万3千人となる見通しだ。65歳以上の5人に1人が認知症を発症する計算。県は21年度、高齢者支援体制の拡充に向け、「認知症ピアサポーター」の育成や、高齢者の居場所づくりに力を入れる。[br][br] ピアサポーターは、認知症となった人が、ほかの認知症の人から相談を受けたり、体験を共有したりしながら支え合う仕組み。▽社会へのつながりを回復できる▽ほかの患者を支える側に回ることで生きがいを持てる―といった効果が期待される。[br][br] 国は19年6月に認知症施策推進大綱を策定。その中で、25年度末までに全ての都道府県でピアサポーターによる本人支援を実施する―との目標を掲げる。青森県によると、ピアサポーターの数は岩手など10都道府県の41人となっている。[br][br] 青森県内では活動実績は確認されておらず、医療や福祉関係者の間でもまだ浸透していないのが現状だ。しかも、13年以降、若年性認知症の実態調査が行われていないため、支援ニーズの把握もできていない。[br][br] 特に働き盛りの世代で発症する若年性認知症の患者は、社会復帰できる可能性が高いため、早期の支援が望まれている。[br][br] 認知症の人と家族の会青森県支部の石戸育子世話人代表は「当事者同士しか分からないこともあり、早い段階で仲間と関わり合うことが大切だ」と強調する。[br][br] 県は21年度当初予算案に、ピアサポーターの育成や活動場所の創設、若年性認知症の実態把握を行う事業に451万円を計上。他県で活動しているピアサポーターを講師に招き、認知症患者や介護事業所向けの研修会を開くほか、県民向けの講演会を開催する。[br][br] 県高齢福祉保険課の高橋勝昭総括主幹は「認知症に対する県民の理解を深め、認知症患者の社会参加を後押ししていく」と話した。[br][br] 高齢者支援では、手芸や体操などを通して高齢者の社会的な孤立防止や介護予防の役割を担う「つどいの場」の拡充支援に892万円を充てる。[br][br] 17年度末は県内522カ所だったが、市町村に働き掛けた結果、19年度末には927カ所と着実に増加。21年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮するよう、周知啓発を行う。高齢化が進行する中、認知症患者らの支援充実が急務となっている(写真はイメージ)