古文書群「花厳院文書」、南部町有形文化財に指定

南部町有形文化財に指定された古文書群「花厳院文書」
南部町有形文化財に指定された古文書群「花厳院文書」
三戸南部氏の氏神だった本三戸八幡宮(南部町)に伝わる古文書群「花厳院(けごんいん)文書」358件が17日、町有形文化財に指定された。鎌倉時代から明治時代まで別当職(神職)を務めた佐々木家が所蔵していた重要史料で、現当主が昨年、町に寄贈した物.....
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 三戸南部氏の氏神だった本三戸八幡宮(南部町)に伝わる古文書群「花厳院(けごんいん)文書」358件が17日、町有形文化財に指定された。鎌倉時代から明治時代まで別当職(神職)を務めた佐々木家が所蔵していた重要史料で、現当主が昨年、町に寄贈した物。古文書が町文化財に指定されるのは初めてで、町は「郷土の歴史を伝える歴史遺産として適切に保存し、後世に伝えていく」としている。[br][br] 同文書によると、本三戸八幡宮は、南部氏が鎌倉時代に甲斐国(現山梨県)から奥州へ向かう際に勧請し、付き従った佐々木治郎左衛門が初代別当を務めた。「花厳院」は別当職である佐々木家の呼称。[br][br] 南部氏に関する中世や藩政期の文献史料は、焼失するなどして数が少なく極めて貴重。一方で同文書には、流鏑馬(やぶさめ)神事に関する記述や南部利直の直筆とされる文書などが残っており、文献史学研究者で東北史学会会員の若松啓文さん(弘前市在住)は「近世の本三戸八幡宮の具体像が分かる、町にとって重要な歴史史料だ」と評価する。[br][br] また、興味深い史料として、現在の御朱印帳に当たる「納経帖」がある。奥州白川郡山上村(現福島県古殿町)の男性が、1865~67年に全国の寺社28カ所を回った記録で、櫛引八幡宮(八戸市)や法光寺(南部町)の納経受領印も記載されている。若松さんは「現在は退転した寺社もあり、押印された印章は貴重だ」と解説する。[br][br] 町は今後、花厳院文書の整理を進め、町施設での展示、公開を検討する。南部町有形文化財に指定された古文書群「花厳院文書」