【刻む記憶 鉄路をつなぐ】JR東被害甚大 震災を機に耐震補強、安全性向上取り組む

東日本大震災で甚大な被害を受けた鉄道各線。JR東日本は人的被害こそなかったものの、大動脈の東北新幹線をはじめ、太平洋沿岸の在来線で被害が発生し、津波によって線路や橋、車両が流出するなどした。同社は震災を機に、各路線で耐震補強工事を進めるとと.....
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 東日本大震災で甚大な被害を受けた鉄道各線。JR東日本は人的被害こそなかったものの、大動脈の東北新幹線をはじめ、太平洋沿岸の在来線で被害が発生し、津波によって線路や橋、車両が流出するなどした。同社は震災を機に、各路線で耐震補強工事を進めるとともに、運転の安全性向上に取り組むなど防災機能を高める。[br][br] 2011年3月11日の本震で受けた被害は、東北新幹線で電柱の折損約540カ所、架線の断線約470カ所、高架橋の損傷約100カ所など計約1200カ所を数えた。盛岡―新青森間でも約40カ所が確認された。[br][br] 在来線では軌道変位約2200カ所、電柱の折損約1150カ所、道床砕石流出約220カ所、駅舎の損傷約80駅など計約4400カ所で被害が見られた。このうち八戸線では、線路流出3カ所(宿戸―陸中中野間)、橋桁(はしげた)流出1カ所(大浜川橋りょう)、軌道変状51カ所、駅舎損壊2駅と計57カ所が被災した。[br][br] 同年4月7日の余震でも大きな被害を受け、東北新幹線はさらに約550カ所、在来線は約800カ所が追加された。[br][br] 復旧工事は急ピッチで行われ、東北新幹線が同月29日に、八戸線が被災在来線で最も早い12年3月17日にそれぞれ全線での運転再開を果たした。[br][br] 同社では施設の復旧のみならず、地震発生時に安全に列車を緊急停止させるための新幹線早期地震検知システムの強化などを図る。同システムは、22年度までに地震の推定方法を改良し、緊急停止警報発報にかかる時間を最短2秒から1秒に短縮する計画。このほか、脱線後の被害を最小限に抑えるレール転倒防止装置の整備を順次進め、29年度をめどに完了させる予定だ。