名農高、研究コンで受賞相次ぐ/チームが切磋琢磨、ポスター発表で対人力磨く

終業式の賞状伝達でステージに上がる生徒。研究への表彰が多くを占めた=昨年12月22日、青森県立名久井農業高 
終業式の賞状伝達でステージに上がる生徒。研究への表彰が多くを占めた=昨年12月22日、青森県立名久井農業高 
青森県立名久井農業高の生徒による研究が近年、国内外から高い評価を得ている。躍進の原動力になっているのが、複数の研究チームが切磋琢磨(せっさたくま)する環境と、農業の枠組みを超えた各種コンテストへの積極的な参加だ。指導に当たる教員は「研究活動.....
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 青森県立名久井農業高の生徒による研究が近年、国内外から高い評価を得ている。躍進の原動力になっているのが、複数の研究チームが切磋琢磨(せっさたくま)する環境と、農業の枠組みを超えた各種コンテストへの積極的な参加だ。指導に当たる教員は「研究活動をコンテストのためだけでなく、生徒自身の成長にもつなげたい」と力を込める。[br][br] 昨年12月22日、同校の終業式で、2学期中に活躍した生徒への賞状伝達が行われた。水研究の国際コンテスト「ストックホルム青少年水大賞」の最高賞、「ジャパンSDGs(持続可能な開発目標)アワード」の内閣官房長官賞、ビジネスプランコンテストの入賞―。ステージには受賞者がずらりと並んだ。[br][br] 同校では2、3年生が約40もの研究チームを構成し、多種多様な研究に取り組む。専門性を生かしながら、農業ばかりでなく、環境や商業分野などのコンテストにも挑んでいる。[br][br] 2009年度から同高で指導に当たる非常勤講師の木村亨さん(63)は「研究は生徒が経験と知識を得る挑戦の場」と強調。農業の枠にとらわれないことで、研究発表の場を増やしてきた。[br][br] 研究内容を模造紙に書き出して会場に展示し、来場者に向けて発表や質疑応答を行う「ポスター発表」は、中でも生徒の貴重な経験になっているという。理数教育に重点的なスーパーサイエンスハイスクールがもともと積極的で、10年ほど前までは農業高によるポスター発表形式のコンテストへの参加はごく少数だった。[br][br] 木村さんは「農業高は普通高にはない切り口でしっかりした研究をしている。ただ、それを表に出す機会が少なかった」と指摘。ポスター発表によって専門家らと対話する機会が生まれ、生徒の力を伸ばす手助けになったと実感する。[br][br] 「水大賞」最高賞を受けた研究班の1人、環境システム科3年の宮木琢愛(たくま)さん(18)は「ポスター発表では専門家から研究を進める技術や例を示してもらえる。自分の研究を発表することは、やりがいにもつながる」と話す。[br][br] 自己表現力を磨くのも狙いの一つだ。園芸科学科の研究を指導する松本理祐(ただすけ)教諭(37)は、生徒に発表の場数を踏ませることで「説明がうまくなるだけでなく、人に自分の意見を伝える力も伸びる」と説明。[br][br] 同科の研究チームは本年度、ビジネスプランコンテストで多くの賞を受けており、「高校時代に成果を挙げることだけが目的ではない。生徒が社会で生きるための『人間力』を高められたら」と将来を見据える。終業式の賞状伝達でステージに上がる生徒。研究への表彰が多くを占めた=昨年12月22日、青森県立名久井農業高