【ツイセキ!あなたの疑問】八戸の道路 除雪後なぜでこぼこ?

雪解けが進んでも道路状態の悪い市道。大雪の影響はいまだ続いている=14日、八戸市大久保
雪解けが進んでも道路状態の悪い市道。大雪の影響はいまだ続いている=14日、八戸市大久保
年末年始に寒波が押し寄せ、7日には最深積雪44センチを記録するなど、7年ぶりの大雪に見舞われた八戸市。市内の道路は降り積もった雪が凍ってでこぼこになり、本紙にも市民から「ハンドルを取られて怖い」「除雪はどうなっているの?」などの声が寄せられ.....
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 年末年始に寒波が押し寄せ、7日には最深積雪44センチを記録するなど、7年ぶりの大雪に見舞われた八戸市。市内の道路は降り積もった雪が凍ってでこぼこになり、本紙にも市民から「ハンドルを取られて怖い」「除雪はどうなっているの?」などの声が寄せられた。背景には例年にない寒さや、めったに大雪とならない気象事情などがあり、市から除雪を委託された業者は「経験が少なく、技術が向上しない」「ほとんどもうからないから、本当は受注したくない」と本音も漏らす。八戸の除雪事情を“ツイセキ”した。[br][br] 八戸で年末年始に降った雪の量は、昨年12月29日夜から31日昼にかけて29センチ、1月7日朝から夜にかけては28センチ。いずれも低気圧が発達しながら通過したタイミングで、気温も比較的上昇し、短時間で湿った重い雪が降り積もった。[br][br] また、雪がやんでからは放射冷却現象などの影響で連日冷え込み、10日朝には36年ぶりとなる氷点下11・7度の最低気温を記録。これによって車道にできた雪のわだちは日差しで解けたり、強い冷え込みで凍ったりを繰り返し、各地ででこぼこの道路状況となった。[br][br] 昨年12月29日~今年1月3日の八戸署管内の交通事故件数は約160件に上り、本紙のツイッターには市民から「道路ガタガタで運転が怖い」「車が真っ二つになりそう」などと200件近い不安の声が寄せられ、市に対しても「もっと丁寧に除雪してほしい」などの要望があった。[br][br] 一方、市内で市から除雪を請け負う業者は「一生懸命やっているが…苦情は絶えない」と嘆く。ある業者関係者は、除雪だけで収入が得られる津軽地方の業者は経験が豊富で技術が高い―とした上で、「八戸は雪が少なく、冬も一般の工事をしながら除雪にも対応しなければならない」と実情を語る。[br][br] 八戸での最深積雪の記録は、全国的に大雪に見舞われた1977年(昭和52年豪雪)の92センチを筆頭に、78センチ(63年)、74センチ(78年)と続くが、直近の20年間では、2010、14年の61センチ(観測史上5位)を除いて50センチを超えた年はない。[br][br] また、これらの記録はほとんどが2~3月に観測された“彼岸じゃらく”の類いで、津軽、上北地方のような大雪がめったにない八戸地域にとって、業者が除雪作業の経験を積む機会は限られている。[br][br] この業者は「重機オペレーターは高齢化し、若者はほとんどいない。晩酌を我慢してもらって夜通しやっている状況」と内情を吐露。除雪に対する市民の声には一定の理解を示しつつ、「市は市民から受けた苦情をわれわれに丸投げするだけ。雪が降ったときだけのボランティアのようなものなのに」と改善を訴える。雪解けが進んでも道路状態の悪い市道。大雪の影響はいまだ続いている=14日、八戸市大久保