青森県が三沢市内の2飲食店関係者の新型コロナウイルス感染と、利用客の特定に向けて店名を公表した3日、新年を迎えたばかりの市民に動揺が広がった。市内の飲食店関係者からは、例年より苦しかった忘年会シーズンを乗り切って間もない中での発生に「客の減少に拍車がかかるのでは」「これ以上感染が広がらないでほしい」と不安や心配の声が上がった。[br][br] 店名が公表された「オフザウォール」「BLACKSHEEP(ブラックシープ)」=いずれも同市中央町2丁目=は、米軍三沢基地正面ゲート近くに店舗を構え、基地関係者の利用もよく見られるという。[br][br] 2店の関係者は3日未明、会員制交流サイトのフェイスブックに英語と日本語のメッセージを投稿し、関係者らの感染と休業、再開のめどが立っていないことを報告。「年始早々本当に申し訳ありません」とのコメントを掲載した。[br][br] 2店の近くにある小売店で働く50代のアルバイト女性は「フェイスブックを見た知人から(投稿について)聞いた。共通する客がいるかもしれないので、店内の消毒などを徹底した」と危機感をにじませた。[br][br] 利用者特定に向けて店舗名が公表されたことについて、同市桜町2丁目の会社員男性(29)は「利用者の確認がとれて、検査を受けてもらえれば安心できる」と理解を示した。[br][br] 例年なら市内の飲食店はこれからが新年会の書き入れ時だが、今年はクラスター(感染者集団)発生も危惧されるなどコロナ禍が直撃している現状だけに、市内で居酒屋を経営する男性(38)は「客足がさらに見込めなくなった。(経営面で)不安だが耐えるしかない」とため息をついた。30代のバー経営男性も「三沢全体に大きな経済的ダメージがあるだろう。場合によっては(自らも)営業自粛を考えなければならないかもしれない」と表情を曇らせた。[br][br] 市は同日、米軍の対応を確認。米軍は2店を訪れた軍関係者の確認に動いており、訪れた人にはPCR検査の受検を呼び掛けるなど対応する方針だ。市民は、県や市に対し「米軍に情報をしっかりと周知してほしい」「協力して対策をとって」などと注文を付けていた。