2017年6月、同級生の父親から脅された八戸高専の学生が、飛び降り自殺を図って下半身不随となり、自主退学を余儀なくされた問題で、同校は28日までに、第三者委員会がまとめた報告書に関する学校の対応を明らかにした。報告書では「学校側の対応に問題があった」と指摘しており、同校は「厳粛に受け止め、学生の見守りに鋭意努める」として、職員の危機管理意識向上などに取り組む考えを示した。[br][br] 第三者委は事前にトラブルを把握していた学校側の対応を検証。報告書では▽トラブルに対する学校幹部らの危機意識の低さ▽個々の職員に対応を任せ、組織的な対応を取らなかった▽事故後、元学生の両親が学校へ提出した遺書を廃棄し、当人らの心情を著しく傷つけた―などを指摘し、特に事故発生前の対応は「不十分かつ不適切」とまとめていた。 [br][br] 同校は同日までにホームページ上に、報告書に対する同校の対応を記した文書を掲載。事故後、学校と保護者を結ぶ連絡ツールの導入やスクールカウンセラーの雇用などに取り組んだ―と説明したほか、今後、トラブルに対して組織的に対応することや、外部講師を招くなどして教職員の危機管理意識の向上に努めることなどを報告した。[br][br] 一方、同校がホームページ上に文書を掲載したのは金曜日の25日で、報道機関への通知や記者会見などはなく、28日までの本紙取材に対し、「何も答えられない」としている。[br][br] 本紙取材によると、男子学生は友人関係を巡り、17年5~6月に同級生の父親から脅迫を受けており、学校側に相談。ただ、当時の教員の対応に不満を募らせ、遺書を残して同市内の橋から飛び降りた。一命は取り留めたが重傷を負って18年9月に同校を自主退学。同級生の父親は脅迫罪で青森地裁八戸支部から懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。[br][br] 同問題を巡っては、元学生とその両親が、同校の設置主体である国立高専機構と同級生の父親らを相手取り、民事訴訟を起こしており、現在係争中。