【墓碑銘2020】鬼籍に入った方々の死を悼む/北奥羽地方

2020年が暮れようとしている。北奥羽地方では、長年にわたって地域の発展に貢献してきた多くの文化人や経済関係者らが鬼籍に入った。その生きざまに思いをはせつつ、死を悼む。(敬称略、年齢の次は死去した月日) 書道団体「臨泉会」会長の佐々木月花(.....
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 2020年が暮れようとしている。北奥羽地方では、長年にわたって地域の発展に貢献してきた多くの文化人や経済関係者らが鬼籍に入った。その生きざまに思いをはせつつ、死を悼む。(敬称略、年齢の次は死去した月日)[br][br] 書道団体「臨泉会」会長の佐々木月花(100歳、8・7)は、青森県立八戸高等女学校(現八戸東高)を卒業後、新進気鋭の書家として東京で活躍していた同郷の泰南氏と結婚。自身も書道の世界に進んだ。1998年に死去した泰南氏から「臨泉会」理事長を引き継いで、多くの弟子を指導。書を通じた国際交流にも努めた。書業は80年に及び、2005年に第22回産経国際書展で最高賞の高円宮賞を受賞。同年、デーリー東北賞を受けた。16年には紺綬褒章。産経国際書会最高顧問、全日本書道連盟参与も務めていた。[br][br] 天摩正行(83歳、9・26)は、八戸青年会議所理事長などを歴任し、2001年、八戸観光協会(のち観光コンベンション協会)会長に就任。09年までの在職中、東北新幹線八戸開業に伴う観光客の受け皿づくりや八戸三社大祭の重要無形民俗文化財指定獲得、八戸えんぶりの振興に奔走した。15年からは市文化協会会長を務めた。[br][br] 八戸市出身の元外交官で、欧州や中東などの計7カ国で特命全権大使などを務めた長谷川晋(64歳、9・8)。1979年に外務省入省後、旧防衛庁や内閣官房内閣情報調査室への出向を経て、駐タイ公使やウィーン国際機関政府代表部公使などを歴任。2018年に退職するまで通算21年にわたる海外勤務で日本外交を支えた。本紙に「世界を夢見て 回想録・長谷川晋」と題して寄稿し、外交官としての歩みを紹介しながら自身の提言をつづった。[br][br] 青森県現代俳句協会初代会長を務めた新谷ひろし(89歳、9・29)は、寺山修司も一時在籍した青森俳句会「暖鳥」に入会し、作句を始めた。県俳句懇話会初代事務局長などを歴任し、第一人者として県内の俳句界をけん引。寺山の研究にも貢献した。[br][br] 旧金木村(五所川原市)出身の作家太宰治の長女で、津島淳衆院議員の母の津島園子(78歳、4・20)。旧大蔵官僚だった津島雄二元厚相と結婚。油絵の個展を開いたり、太宰の生誕記念祭に出席したりと、精力的に文化活動を展開した。[br][br] アイスホッケー日本代表として、72年の札幌冬季五輪から3大会連続で五輪に出場した中山厳(70歳、2・7)。日本リーグの「西武鉄道」に入団し、優勝や全日本選手権制覇を経験。退団後は、実業団チーム「八戸市役所」に所属し、国体の県代表選手、監督として競技の普及に尽力した。[br][br] 経済関係では、八戸港振興協会元会長の浦山昭二(93歳、10・9)。八戸港湾運送では代表取締役社長、代表取締役会長を務めたほか、東北港運協会会長、八戸商工会議所運輸交通部会長などを歴任し、東北地方の港湾関連事業や地域経済の振興に貢献した。[br][br] 元五戸町商工会長の金澤孝吉(83歳、8・27)は、八戸酒類取締役会長や町選管委員長を務めた。[br][br] 中川原啓介(92歳、1・8)は、青森県森林組合連合会会長として林業の発展に貢献。五戸町出身で、町教育委員や三戸郡教育振興会長も担った。[br][br] 元みちのく銀行代表取締役会長の上杉純雄(71歳、3・4)。元岩手銀行頭取の永野勝美(85歳、11・19)。共に北奥羽地方の経済の発展に尽力した。[br][br] 政治関係では、元十和田湖町長の渡部毅(95歳、9・13)。元七戸町長の福士孝衛(88歳、8・27)。久慈市出身で、元岩手県議の三河喜美男(83歳、10・23)。黒石市長を4期16年務めた鳴海広道(79歳、12・15)は、青森県議会議長も歴任。元青森県議会議長の山内和夫(89歳、9・18)は、自民党県連で幹事長など要職を務めた。[br][br] 元八戸市議会議長の西野陽一(86歳、11・27)は市勢発展に尽力。同じく元八戸市議会議長の上田善四郎氏(83歳、1・28)は、市体育協会(現・市スポーツ協会)会長として長年、スポーツの振興に貢献した。