J昇格の原動力 ヴァンラーレ須藤前主将、今季で現役引退「八戸に支えられた」

サポーターの声援に謝意を示す言葉を述べるヴァンラーレ八戸の須藤貴郁(手前)と河津良一(左)=6日、八戸市のプライフーズスタジアム
サポーターの声援に謝意を示す言葉を述べるヴァンラーレ八戸の須藤貴郁(手前)と河津良一(左)=6日、八戸市のプライフーズスタジアム
サッカーJ3のヴァンラーレ八戸に7年間在籍し、2017年からは3季連続で主将を務めた須藤貴郁(29)が、今季限りでユニホームを脱ぐ。八戸を青森県初のJリーグに導いた功労者で、現メンバーでは2番目の在籍期間を誇る。チームの今季ホーム最終戦が行.....
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 サッカーJ3のヴァンラーレ八戸に7年間在籍し、2017年からは3季連続で主将を務めた須藤貴郁(29)が、今季限りでユニホームを脱ぐ。八戸を青森県初のJリーグに導いた功労者で、現メンバーでは2番目の在籍期間を誇る。チームの今季ホーム最終戦が行われた6日、会場の八戸市プライフーズスタジアムでは引退セレモニーが行われ、フル出場した須藤は今季最多となる1066人のサポーターらを前に「八戸に支えられてここまでプレーできた。7年間本当に幸せだった」と“八戸愛”をアピールした。[br][br] 栃木県出身。平成国際大を経て14年、日本フットボールリーグ(JFL)所属だった八戸に加入した。ポジションはDF。高い身長を生かした競り合いや左足の正確なキックが持ち味で、チームの守備に欠かせない存在だった。[br][br] 須藤は大学時代、部の監督に背中を押されて八戸入団を決めた。「地域、行政が一体となり、クラブに協力している街だ」。恩師の言葉を信じ、「八戸でのJ3昇格を目指そうと思った」。JFL5季目の18年、主将としてチームのJリーグ昇格の原動力となった。[br][br] 所属7季で最も印象に残った試合には同年11月11日、勝利でJ昇格を確実としたヴィアティン三重戦を挙げた。「八戸に来た一番の目標を達成した瞬間だった」。19年のJ参入初年度も主将としてチームを引っ張った。「責任を持って戦い続けることができた。主将経験は今後の人生に生きてくるはずだ」と強調した。[br][br] 30歳を前に現役引退を決断したのは「自分の力ではもうチームに貢献することはできないと思った。競技以外の世界にも挑戦したい」と考えたからだ。[br][br] 引退の意思は今年11月中にメンバーに伝えた。長年苦楽を共にしたチーム在籍13年のベテラン新井山祥智(35)は取材に「本人の思いを尊重したい。真面目でメンバーからの信頼も厚い、素晴らしい選手だった」とねぎらった。[br][br] ホーム最終戦ではチームの計らいで、後半から左腕にキャプテンマークを着けてピッチで躍動。終了後は、引退するDF河津良一(28)らと共にスタンドのサポーターに別れを告げた。須藤ファンだという八戸市の会社員赤坂奈央子さん(29)は「やっぱりキャプテンマークが似合う選手。引退は残念だけど、これまで『お疲れさま』と言いたい」と話した。[br][br] 須藤の八戸でのプレーは6日が最後だが、リーグ戦は20日までアウェー戦3試合が残っている。須藤は「八戸のために全力を尽くす」と完全燃焼を誓った。サポーターの声援に謝意を示す言葉を述べるヴァンラーレ八戸の須藤貴郁(手前)と河津良一(左)=6日、八戸市のプライフーズスタジアム