【新型コロナ】同時流行に備えた診療体制スタート/青森県内

ICTを活用したオンライン聴診を操作する小倉和也院長=1日、八戸市
ICTを活用したオンライン聴診を操作する小倉和也院長=1日、八戸市
インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に備えた新たな医療態勢が1日、青森県内で始まった。これまでの保健所中心の対応から、県の指定を受けたかかりつけ医など、より身近な「診療・検査医療機関」(指定医療機関)が相談や診察、検査を行うように変.....
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 インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に備えた新たな医療態勢が1日、青森県内で始まった。これまでの保健所中心の対応から、県の指定を受けたかかりつけ医など、より身近な「診療・検査医療機関」(指定医療機関)が相談や診察、検査を行うように変わり、新型コロナの早期発見につなげる。ただ、初日は指定医療機関の一部に受診希望者が集中したほか、周知不足で来院者との連絡調整がうまくいかないなどの課題も見られた。[br][br] 指定を受ける「はちのへファミリークリニック」(小倉和也院長)では、情報通信技術(ICT)を活用したオンライン診療を導入済みで、一般診療と発熱外来の受け入れ時間帯を分けるなど態勢を整えてきた。[br][br] 1日は、発熱患者が指定された時間帯に来院。一般患者と分離された通路を使って専用の診療スペースへ入り、タブレット越しに診療を受けた。聴診もオンラインで行われた。症状などを聞き取り、必要に応じて、自家用車に待機してもらい、患者自身が採取した検体の抗原検査も実施した。[br][br] 小倉院長は、医療スタッフや一般患者が発熱患者と接触する場面を限りなく減らしていることを挙げ、「安心して診療を受けられる体制を整えている」と強調した。一方、この日は、県コールセンターなどから案内された新規患者が集中し、発熱外来の時間帯が全て埋まってしまうなど、対応に追われたという。[br][br] その一因となっているのは、新規患者の受け皿の少なさだ。県によると1日現在、170カ所の医療機関が指定されているものの、ほとんどがかかりつけの患者のみに対応し、新規患者を受け入れる医療機関は少ないという。[br][br] 県民への周知不足も課題だ。県コールセンターや未指定のかかりつけ医は、指定医療機関名を案内するだけで、患者自身が受診の連絡をしなければならない。この仕組みが知られておらず、県は1日の会見で、患者が事前連絡せずに指定医療機関に来院する事例が発生したと明らかにした。[br][br] 小倉院長は、県コールセンターに電話した患者や未指定のかかりつけ医を受診した患者が、何度も症状や行動歴などを説明しなければならない点も指摘。「患者の情報を医療機関の間で伝達し合えるようなシステムが必要」とし地域全体で連携した診療体制を構築する重要性を訴えた。ICTを活用したオンライン聴診を操作する小倉和也院長=1日、八戸市