【月刊Dash】フリーブレイズFW田中遼 「ファンのため」あふれる闘志

ベテランとしてチームを引っ張る田中遼
ベテランとしてチームを引っ張る田中遼
ブレイズ所属11年目のベテランFW田中遼。大学卒業後、八戸でプロ選手としてスタートを切り、兄の豪らと共に、3度のアジアリーグ制覇に貢献するなど、チームの歴史を築いてきた。ここ2季は連続リーグ最下位と不本意な成績が続いていたが、今季は新たな本.....
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 ブレイズ所属11年目のベテランFW田中遼。大学卒業後、八戸でプロ選手としてスタートを切り、兄の豪らと共に、3度のアジアリーグ制覇に貢献するなど、チームの歴史を築いてきた。ここ2季は連続リーグ最下位と不本意な成績が続いていたが、今季は新たな本拠地、新監督、新主将の下、「ベテランとしてプレーでチームを引っ張る」と闘志を奮い立たせている。[br] (12日に発行した月刊スポーツマガジンDashから記事をセレクトしました)[br][br] 今季から指揮を執る大久保智仁監督から「お前にはもっと頑張ってもらわないと」とハッパを掛けられ、闘争心に火が付いた。「毎試合得点を取る」-。自らに強くプレッシャーをかけ、試合に臨んでいる。[br][br] その決意はリーグ開幕前から表れていた。日光アイスバックスとのプレシーズンゲームでは、試合を決める延長戦でのゴールを含む2点を決めた。「今季は体が動いている」。好調ぶりを実感した。[br][br] 勢いそのままに、開幕戦となった10月17日の王子イーグルス戦では、先制ゴールと決勝ゴールをゲットし、勝利の立役者に。18日も、敗れはしたが、チームの全得点となる3ゴールをたたき出し、2試合で5得点の大暴れだった。[br][br] 好調さを支えているのは、ベテランとしての自覚だ。昨季まではミーティングぎりぎりに練習に来ていたが、近年は早い時間からリンクに来るようになった。兄・豪の影響だ。「兄は以前からミーティングが始まるかなり前、朝6時ごろから氷上で練習し続けていた」。[br][br] その姿を見続け、準備の大切さをやっと感じ始めた。「柔軟運動による体のケア、道具の手入れをして日々の練習に臨んでいる」。プレーにも変化が出てきた。「シュートブロックや、シュートを放つ相手選手へのチェックなど、守りでも貢献しなければ」。FWとして得点にこだわるだけでなく、守備への意識も高まった。[br][br] 王子戦では、終盤に追い付こうと猛攻を仕掛ける相手に、身を投げ出してブロックを試みるなど、闘志あふれるプレーを見せた。「(今まであまりしなかった)自分がシュートブロックをすると、周りも見てくれている」とおどける。[br][br] チームでも上から数える方が早い年齢だが、「まだまだ若い選手たちに負けるつもりはない」とプライドをのぞかせる。攻撃を組み立てる発想、パスの正確性など、これまで蓄積した経験とセンスを生かしたプレーには絶対的な自信を持つ。[br][br] 「主将になった人里茂樹や山田淳哉たちも、試合中に意見を言い合うようになってきた」と後輩の成長に刺激を受け、「自分もまだまだ成長できる」と向上心は尽きない。後輩たちを背中で引っ張る覚悟だ。[br][br] 今季の目標は「昨季よりもいい成績」。「ふがいない成績が続く中でも応援してくれる。感謝しかない」ファンのために-。[br][br] …………………………[br][br] たなか・りょう[br] 1987年4月生まれ。札幌市出身。北海高—明大卒。ブレイズFWとして3度のアジアリーグ制覇に貢献した。15年には日本代表として「世界選手権ディビジョン1グループA」に出場した。179センチ、82キロ。ベテランとしてチームを引っ張る田中遼