【無形文化遺産】原木や道具職人の確保課題

漆搔きに使う道具
漆搔きに使う道具
日本うるし搔き技術保存会(二戸市)などの地道な活動により、漆搔き職人は一定の数を維持しているものの、目標生産量に対して樹液を採取できる原木が足りず、原木の確保が重要な課題となっている。また、漆搔きには「かんな」や「へら」など特種な道具が必要.....
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 日本うるし搔き技術保存会(二戸市)などの地道な活動により、漆搔き職人は一定の数を維持しているものの、目標生産量に対して樹液を採取できる原木が足りず、原木の確保が重要な課題となっている。また、漆搔きには「かんな」や「へら」など特種な道具が必要で、その道具を作る職人も高齢化が進んでおり、後継者の育成も急務だ。[br][br] 市によると、市内には漆の木約16万8千本があり、うち樹液を採取可能なのは約14万2千本。目標とする漆の年間生産量2トンを達成するには、約18万本が必要で、安定した生産に向けて原木の確保が求められている。[br][br] 現在、市や民間団体が植栽活動をしているが、樹液を採取できるまで成長するには約15年の歳月を要する。そのため、市などは地元の小中学生や民間企業などと協力して植栽活動を展開し、長期にわたって計画的に維持管理をしていく予定だ。[br][br] 漆搔きに必要な道具の確保も重要。現在、「かんな」や「へら」など漆を搔く道具を作る職人は田子町に1人、漆を詰める専用のたるを製作する職人は一戸町に1人しかおらず、伝統技術の継承に向け、人材育成が急がれる。漆搔きに使う道具