相内熊野神社の祭礼 南部町無形民俗文化財に指定/希少な演目「湯立」継承

釜で煮立てた湯を、みこがササの葉でまく演目「湯立」
釜で煮立てた湯を、みこがササの葉でまく演目「湯立」
南部町相内地区に伝わる「相内熊野神社の祭礼行事」が21日、同町無形民俗文化財に指定された。同神社では毎年9月の例大祭で「湯立神楽」を奉納する慣習があり、演目「湯立」は青森県南地方では2例しかない伝承事例の一つ。大正時代に後継者不足で途絶えた.....
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 南部町相内地区に伝わる「相内熊野神社の祭礼行事」が21日、同町無形民俗文化財に指定された。同神社では毎年9月の例大祭で「湯立神楽」を奉納する慣習があり、演目「湯立」は青森県南地方では2例しかない伝承事例の一つ。大正時代に後継者不足で途絶えた神楽を有志が復活させた経緯もあり、町は「希少な芸能を、地域住民が協力して伝承していることを高く評価した」としている。[br][br] 湯立神楽の演目は「湯立」「下舞」「身堅め」「七つ道具」「権現舞」の5つ。冒頭の湯立は、釜で煮立てた湯を、みこがササの葉でまき、邪気をはらう。伝承事例は県内では10例あり、県南地方では同神社と龗(おがみ)神社(八戸市)のみ。[br][br] 湯立神楽は明治初期に盛んだったが、大正初めの1913年、後継者不足で一時途絶えた。その後、住民有志による「相内芸能保存会」が聞き取りや記録を頼りにかつての演目を再現し、79年に芸能として復活。現在、同保存会には小学3年生から88歳まで幅広い年齢層が参加し、定期的に練習を行っている。[br][br] 17日は相内地区の集会所で住民に神楽を披露する場が設けられ、保存会のメンバーが5つの演目を舞った。湯立でみこを務める同町立南部中2年、山内蓮那さん(14)は「貴重な演目の役目をしっかり務め、将来は指導にも関わりたい」と力を込める。[br] 保存会の沼畑敏之会長(63)は「文化財の指定を受け、身が引き締まる思いだ。神楽は地域に欠かせない存在になっており、今後も2代、3代先を考えて継承していきたい」と話した。釜で煮立てた湯を、みこがササの葉でまく演目「湯立」