日本学生野球協会と明治神宮は9日、新型コロナウイルスの影響で、11月20日から神宮球場で開催予定だった第51回明治神宮大会を中止すると発表した。感染者の多い東京へ団体で移動することなどのリスクを考慮し、開催は困難との結論を出した。同大会の中止は昭和天皇の病状悪化で自粛した1988年以来で32年ぶり2度目。[br][br] 大会は大学の部が70年、高校の部が73年に始まり、アマチュア野球の主要大会として開催されてきた。高校優勝校の所属地区に割り当てられることになっている、来春の第93回選抜大会の「神宮大会枠」については、主催者が今後に臨時の運営委員会を開いて審議する。[br][br] 明治神宮大会中止決定を受け、同大会東北地区代表決定戦(24、25日・弘前市)に出場予定だった八学大の正村公弘監督は「新型コロナの状況を考えれば中止はやむを得ない」と淡々。一方で「大学は今年春、秋と全国大会が失われたことになる。選手は(目標がなくなって)かわいそうだ」と、特に4年生の心情を察した。[br][br] 同決定戦は今後、大会名称を変更した上で予定通りの日程で開催される方向だという。八学大のプロ注目右腕・大道温貴は大学最後の舞台に向けて「もっと早い段階で中止決定してほしかったが…。残る試合は楽しみながら粘り強く投げ抜く」と前を向いた。[br][br] 2011年の第42回大会に高校の部で優勝経験があり、秋季東北地区大会(14~20日・石巻市ほか)の成績次第では出場可能性もあった八学光星高の仲井宗基監督は「神宮が大きな目標ではないし、先を考えても仕方がない」と冷静に受け止めた。その上で「目の前の試合に集中して戦い、その先に選抜出場という目標を達成できれば」と話した。