基地内居住者に「みさわやさい市場」魅力PR

好きなみさわやさい市場を広めたい―。佐々木和枝組合長(中央)に思いを伝え、米軍基地内にファンを増やす取り組みに協力したヘミングセン祥子さん(左)とクリス・ギルピンさん(右)=9月下旬、三沢市
好きなみさわやさい市場を広めたい―。佐々木和枝組合長(中央)に思いを伝え、米軍基地内にファンを増やす取り組みに協力したヘミングセン祥子さん(左)とクリス・ギルピンさん(右)=9月下旬、三沢市
ウエルカム、グリーンルーフ! 米軍三沢基地内居住者に、地物の野菜などを販売する「みさわやさい市場(三沢市野菜集出荷所)」のファンを増やす取り組みが、本年度から進められている。基地関係者の女性2人からの市場愛あふれる声をきっかけに、基地の中の.....
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 ウエルカム、グリーンルーフ! 米軍三沢基地内居住者に、地物の野菜などを販売する「みさわやさい市場(三沢市野菜集出荷所)」のファンを増やす取り組みが、本年度から進められている。基地関係者の女性2人からの市場愛あふれる声をきっかけに、基地の中の人に市場や野菜に興味を持ってもらうPRの充実が図られた。運営する市近郊やさい生産組合は「昨年よりも来店する米国人が増えたようだ」と効果を実感。“援軍”の2人と共に、さらなるファンの拡大と市場の活性化に期待を込める。[br][br] 市中心部にある市場は、季節の野菜や果物などが豊富に並び、市民に親しまれている。基地関係者によると、建物の屋根が緑色のため、関係者には「グリーンルーフ」と認識されているという。[br][br] 「基地から近いのに、中の人にはあまり知られていないように思っていた」。2度目の三沢での生活を送る、市内居住のヘミングセン祥子さん(45)=東京都出身=は語る。以前暮らした際もよく訪れ、新鮮な野菜が手頃な値段で手に入ることに魅力を感じていた。[br][br] 好きな場所を広めたい―。共感してくれた、基地内に住む米国人のクリス・ギルピンさん(33)と今春、佐々木和枝組合長(54)を訪問。もっと知ってもらうべきだ、と思いを伝えた。[br][br] 佐々木組合長は「その時の市場愛がすごくて」と振り返る。話し合いを重ね、組合として2人の協力を得て、基地内居住者へPRする方針が固まった。[br][br] 取り組みを進めるに当たり、組合は農産物の販路開拓を支援する市の補助事業を活用した。売り場には、野菜のお薦めの食べ方などを英文で紹介するポップを設置。基地関係者の女性らに呼び掛けて料理教室を開き、野菜と和食への関心を引きながら交流を深めた。[br][br] さらに、市場ホームページの英訳文を米国人にもなじみやすい内容に修正。販売中の野菜などの情報をフェイスブックで頻繁に発信するようになった。[br][br] 2人も時折、自分たちのページで市場の投稿を共有するなどして関わりのある人へ広める。その際は「心から好きなんだとの気持ちを込めて告知する」(祥子さん)ように心掛ける。[br][br] ギルピンさんは「知らない人からもSNS(会員制交流サイト)に反応があるなど、認知度は高くなっている」と手応えを語る。[br][br] 佐々木組合長も、基地内居住者が気軽に足を運べる市場になりつつあると感じる。そう思えるのも、刺激と活力を与えてくれた2人の存在が大きい。「新しいことを始めるきっかけをもらった」と謝意を示す。[br][br] 祥子さんは「三沢市と米軍基地との架け橋になれたら、との思いで行動したこと」と語り、「市場の人がうれしいと実感しているのを見ると、私たちもうれしい」とほほ笑む。[br][br] 基地内はおよそ2、3年で居住者が入れ替わるという。2人と佐々木組合長は、離れる人々には三沢で覚えた野菜や和食の知識を次の土地で役立ててほしい、と期待する。いつかは離れてしまう2人も、思いを継ぐ人たちが市場愛のバトンをつなぎ、持続的に応援する流れができれば―と願ってやまない。好きなみさわやさい市場を広めたい―。佐々木和枝組合長(中央)に思いを伝え、米軍基地内にファンを増やす取り組みに協力したヘミングセン祥子さん(左)とクリス・ギルピンさん(右)=9月下旬、三沢市