【縄文遺跡群】イコモスの調査終了受け 文化庁と4道県が会見

文化庁と4道県の担当者による合同記者会見。担当者らは「一定の理解をしていただけた」と手応えを語った=16日、青森県庁
文化庁と4道県の担当者による合同記者会見。担当者らは「一定の理解をしていただけた」と手応えを語った=16日、青森県庁
2021年の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が終了したことを受け、文化庁と4道県は16日、青森県庁で記者会見を開いた.....
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 2021年の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が終了したことを受け、文化庁と4道県は16日、青森県庁で記者会見を開いた。遺跡がある青森、岩手、秋田、北海道の担当者ら計7人が出席。12日間の現地調査について「遺跡群について一定の理解を得られた」と手応えを語った。[br] 現地調査は4~15日に行われた。オーストラリア人の調査員が構成資産17遺跡に加え、関連資産2遺跡も訪問。新型コロナウイルス対策として、調査員の同行者を約10人に限定したほか、公共交通機関の利用を極力避けた。遺跡のボランティアガイドや地元の子どもたちはリモートで調査員と言葉を交わしたという。[br] 会見では、文化庁文化遺産国際協力室の石橋晶室長が調査の概要を説明。調査員からは▽構成資産の保存管理の在り方▽来訪者の受け入れ体制や情報提供の在り方▽保存管理などに地域住民がどう関わっているか―の3点について重点的に確認されたという。[br] 石橋室長は「予定通り無事に終わることができて安堵(あんど)している。調査員には一定の理解をいただけたのではないか」と現地調査を振り返り、青森県世界文化遺産登録推進室の岡田康博室長は「今できるベストは尽くした。われわれの思いも伝わったと確信している」と強調した。[br] 現地調査は、世界遺産登録に向けたヤマ場に位置付けられる。4道県は昨年と今年7月と計2度のリハーサルを行い、本番に備えてきた。[br] 御所野遺跡(一戸町)がある岩手県は、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の世界文化遺産登録の過程などで現地調査を受けた経験がある。県文化スポーツ部文化振興課の佐藤嘉広世界遺産課長は「過去の調査で注目された部分に注意して本番を迎えた。今は緊張感から解放されてほっとしている」と明かした。[br] 新型コロナの影響で今後の日程は不透明だが、例年通りの日程であればイコモスは来年1月ごろに中間報告を行い、5月ごろ評価結果を勧告する。過去には中間報告を受けて構成資産を見直した遺産もある。[br] 石橋室長は「17遺跡で一体であることを十分説明できた。現時点で資産の見直しは危惧していない」としている。登録の可否は来夏の世界遺産委員会で決定する見通し。文化庁と4道県の担当者による合同記者会見。担当者らは「一定の理解をしていただけた」と手応えを語った=16日、青森県庁