枝の無断伐採は314本/奥入瀬渓流 環境省、告発見送り

奥入瀬渓流で見つかった人為的に折られた枝=7月26日、十和田市
奥入瀬渓流で見つかった人為的に折られた枝=7月26日、十和田市
十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流の遊歩道で、無断で伐採された枝が多数見つかった問題で、環境省十和田八幡平国立公園管理事務所は11日、被害が渓流全域の約14キロで計314本あったとする調査結果を公表した。自然公園法違反に当たる事案だが、同事務.....
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 十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流の遊歩道で、無断で伐採された枝が多数見つかった問題で、環境省十和田八幡平国立公園管理事務所は11日、被害が渓流全域の約14キロで計314本あったとする調査結果を公表した。自然公園法違反に当たる事案だが、同事務所は告発せず、今後、関係機関と協力して違法行為の周知徹底を図るとしている。[br] 奥入瀬渓流は、ほぼ全域が自然公園法で最も規制が厳しい特別保護地区になっており、文化財保護法に基づく特別名勝・天然記念物にも指定されている。[br] 枝の無断伐採は7月、地元の「八甲田・十和田を愛する会」(久末正明代表)の調査で発覚。これを受け、同事務所と青森県文化財保護課が8月上旬、2日間で全域を調べた。[br] その結果、折損210本、切断104本を確認。このうち、特別保護地区内が計264本で、残り50本は第二種特別地域内だった。いずれも、過去1年以内に人為的に行われたとみられる。[br] 一方、同事務所は、折損は不特定多数の人によるもので悪質性がなく、切断は歩道管理者から事前申請があれば許可する範囲だと判断。同課は、大きな「無断現状変更」に当たらないとする文化庁の見解を基に、いずれも告発を見送った。[br] この日は、同事務所や同課、十和田市など関係機関が市内で今後の対策を協議。情報を共有し、違反行為の周知を図ることを申し合わせた。 会議後の取材に、同事務所の森川久所長は「告発はしないが違反は違反。より効果的に利用者に注意喚起していく」と述べた。[br] 久末代表は「利用者の認識が甘くなってきている。行政は利用マナーの周知を徹底すべきだ」と訴えた。奥入瀬渓流で見つかった人為的に折られた枝=7月26日、十和田市