南部町沖田面地区で3日、小さな花火大会が開かれた。同地区では毎年9月、出店や盆踊りを楽しむ祭りが恒例行事として開かれていたが、2017年に事故が発生して翌年から自粛。新型コロナウイルスの影響で地域のイベントや学校行事が相次いで中止となった今年は、有志が「今こそ祭りで子どもたちを、地域を元気にしよう」と熱い思いで企画し、夜空に大輪の花が咲いた。[br] 主催したのは沖田面地区の住民を中心につくる「南部わけぇ者会」。会長の馬場正樹さん(55)は「新型コロナのせいで子どもたちは大きなストレスを感じている。祭りを自粛していたが、地域には元気な子どもの声が必要だと思った」と経緯を語る。[br] 19年は花火の打ち上げのみを行ったが、今年は射的や焼きそばの販売も実施し、祭りの雰囲気を演出。入り口では検温を実施し、新型ウイルスの感染防止にも配慮した。[br] 晴天に恵まれた当日。午後6時を過ぎると、会場は夏の宵を楽しむ家族連れや子どもたちでにぎわった。同7時半から音楽に合わせて75発の花火が打ち上げられると、観客からは歓声や拍手が沸き起こった。[br] 同町立南部小2年、三浦綜真(そうま)君(7)は「お祭りに来るのをずっと楽しみにしていた。射的でお菓子を取ったよ」と笑顔。ミューズ保育園年中の宮野陽(はる)ちゃん(4)は「花火がきらきらしてきれいだった」と目を輝かせた。[br] 花火大会を終え、馬場会長は「きれいに見えてよかった」と満足げ。「今後もイベントの企画を通じて、地域を大切に思う気持ちを表していけたら」と力を込めた。