【新型コロナ】岩手県、感染初確認から1カ月/家庭内感染相次ぐ

岩手県内で初めて感染が確認されてから約1カ月。家庭内での感染が相次いでいる(写真はコラージュ。上は久慈地域外来・検査センターの開設リハーサルの様子。下は岩手県新型コロナウイルス対策本部員会議)
岩手県内で初めて感染が確認されてから約1カ月。家庭内での感染が相次いでいる(写真はコラージュ。上は久慈地域外来・検査センターの開設リハーサルの様子。下は岩手県新型コロナウイルス対策本部員会議)
新型コロナウイルスの感染者「ゼロ」が続いていた岩手県で、感染が初めて確認されてから約1カ月が経過した。初めて感染者が出た7月29日から今月2日までの県内の感染者数は計22人。発生当初は感染者からの広がりが最小限に抑えられていたが、最近は家庭.....
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 新型コロナウイルスの感染者「ゼロ」が続いていた岩手県で、感染が初めて確認されてから約1カ月が経過した。初めて感染者が出た7月29日から今月2日までの県内の感染者数は計22人。発生当初は感染者からの広がりが最小限に抑えられていたが、最近は家庭内で感染が拡大するケースが目立つ。お盆の帰省が集団感染につながったとみられる事例も発生しており、県は家庭内での予防の徹底を呼び掛けるなど、感染拡大防止策に取り組んでいる。[br] ◆久慈では家庭内で 県北地方では、8月6日に久慈市の20代女性の感染が判明。同居家族である10歳未満の娘と50代女性の2人にも感染が広がった。[br] 20代女性は娘を連れ、関東地方から訪れた友人と行動を共にしていた。友人の感染も判明しており、県は「友人から感染した可能性が高い」としている。[br] 一方、50代女性は同7日のPCR検査で陰性だったが、23日の抗原検査でウイルスが検出された。発症までの2週間以内に他者との接触はほとんどなかったが、娘の入院に付き添うなど、感染の恐れのある時期に家族の世話をしていたとみられ、家庭内予防の難しさを浮き彫りにした。[br] ◆お盆帰省がきっかけに 8月25日に感染が判明した盛岡市の20代男性はお盆期間を含む12~16日、家族6人が同居する遠野市の実家に帰省。東北地方に住む県外の親族4人も加わり、総勢11人で計4回、食卓を囲んだ。[br] 帰省中、県外の親族1人が寒気や熱っぽさを感じていたが、市販薬を飲んで症状が改善したため、新型コロナの検査には至らなかった。[br] 同26日には実家の親族5人の感染も判明し、県内初のクラスター(感染者集団)が疑われる事態に。さらに同28日、県外の親族3人の感染も確認され、11人中9人に感染が広がった。[br] 料理を仲良く取り分け、食べながら会話に花を咲かせる―。お盆ならではの一家だんらんの光景が、感染拡大の一因になったとの見方もある。[br] ◆大人数での食事に注意 家庭内感染を防ぐにはどうすべきか。遠野市の事例を受け、県は県民向けの注意事項を作成した。県のホームページでも公開し、周知を図っている。[br] 注意事項には▽こまめな手洗い・消毒や定期的な換気、せきエチケットの実施▽食事の際は大皿を避け、料理を個々に分ける▽毎朝の体温測定や健康チェックを行う―といった対策を記載している。[br] 特に、大人数での食事は感染リスクが高いという。達増拓也知事は8月下旬の定例会見で「食事を共にする場での感染が日本全体で増えている」とし、「家庭内では食事を一緒にする機会が多い。家族や親戚が集まって会食する際は特に気を付けてほしい」と呼び掛けた。岩手県内で初めて感染が確認されてから約1カ月。家庭内での感染が相次いでいる(写真はコラージュ。上は久慈地域外来・検査センターの開設リハーサルの様子。下は岩手県新型コロナウイルス対策本部員会議)