荒谷さん(三沢)が牛繁殖農家として新規就農

「牛への気配りを大切にしたい」と語る荒谷涼香さん=8月中旬、三沢市
「牛への気配りを大切にしたい」と語る荒谷涼香さん=8月中旬、三沢市
三沢市の荒谷涼香さん(22)は、昨年2月、同市淋代で黒毛和種の繁殖農家として新規就農した。畜産に縁もゆかりもなかったが、中学生の時に母親の知人の月館啓三さん(71)の牛舎を訪れてから牛のとりこに。青森県営農大学校を卒業後、畜産の道に進み、今.....
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 三沢市の荒谷涼香さん(22)は、昨年2月、同市淋代で黒毛和種の繁殖農家として新規就農した。畜産に縁もゆかりもなかったが、中学生の時に母親の知人の月館啓三さん(71)の牛舎を訪れてから牛のとりこに。青森県営農大学校を卒業後、畜産の道に進み、今年7月には初めて育てた子牛を競りに出し、繁殖農家として大きな一歩を踏み出した。「大変なことも多いが、毎日が楽しい。もっと経験を積みたい」と日々、汗を流す。[br] 幼い頃から動物に興味があった。中学3年の時に市内の月館さんの牛舎を訪れ、子牛にミルクを与えるうちに、牛の魅力に引かれていった。 県立三本木農業高に進学後は寮生活を送る傍ら、休日は月館さんの牛舎に通い、清掃や牛の手入れなどを手伝った。「学校だけでなく、牛舎で実際に体験できたのは貴重だった」と荒谷さん。県営農大学校では、削蹄(さくてい)師と人工授精師の資格を取得し、繁殖農家を目指して知識を学んだ。[br] 大学校卒業後、国の助成金を活用して新規就農への準備を進めた。牛舎は“師匠”でもある月館さんの隣に建設。その際は近所の農家も協力してくれたといい、「本当にたくさんの方々に支えられた」と感謝を口にする。[br] 昨年2月、ついに親牛4頭と共に営農を開始。最も苦労したのは人工授精で、「うまくいかなくて、獣医師に教えてもらいながら何度もチャレンジした。実際に子牛が生まれた時にはうれしさが込み上げてきた」と振り返った。[br] 今年7月には七戸町の県家畜市場で自分の育てた子牛2頭を初出荷。緊張したが、競りにかけられるとあっという間に落札された。目標金額も越え、うれしかった半面、育てた牛がいなくなり、寂しさを感じる現実も知った。[br] 現在は9頭を飼育。今後、頭数をさらに増やし、安定した出荷を目指す方針だ。「牛への気配りをもっと大切にしたい。経験をさらに積んで、支えてくれた方々に恩返しができれば」と目標を掲げる。[br] 指導する月館さんも「動物に愛される性格で牛に対してとにかく真面目。これからも地道に頑張ってほしい」と期待を込めた。「牛への気配りを大切にしたい」と語る荒谷涼香さん=8月中旬、三沢市