野田教授、プラスチックの循環利用研究に参画/八戸工業大

冷凍機の試験機を使い、氷点下冷熱の仕組みを説明する野田英彦教授=25日、八戸工業大
冷凍機の試験機を使い、氷点下冷熱の仕組みを説明する野田英彦教授=25日、八戸工業大
八戸工業大工学部機械工学科の野田英彦教授が、国内の産学官研究プロジェクト「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」に参画する。プラスチックを焼却した際に生じる熱で氷点下の冷熱を製造する吸収冷凍機を、早ければ2023年までに開発する方針だ.....
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 八戸工業大工学部機械工学科の野田英彦教授が、国内の産学官研究プロジェクト「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」に参画する。プラスチックを焼却した際に生じる熱で氷点下の冷熱を製造する吸収冷凍機を、早ければ2023年までに開発する方針だ。野田教授は「氷点下冷熱の製造設備は世界でも例がない。実用化が進めば、他分野のエネルギーコスト削減にも貢献できる」と強調する。[br] 同プロジェクトは20~24年度の予定で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導。近年のプラスチックごみによる環境汚染などの問題に対し、技術革新によるリサイクルや環境負荷低減の促進を目指している。[br] 同大は名古屋大や中央大、民間企業と共に、再利用が困難な廃材を焼却した際に生じる熱エネルギーの活用研究を担当。400度以上の高温帯は発電への利用を想定しているため、それに適さない低温排熱を冷凍機に利用する方法を探る。[br] 一般的な吸収冷凍機は、空調システムや冷房に利用されている。野田教授は数年前から大手電機メーカーの依頼を受け、吸収冷凍機の研究を本格化。従来は空気や水の熱を下げる冷媒に水が使用されており、氷点下冷熱は困難だったが、野田教授は水とアルコールを配合した冷媒を用い、さらに特殊な熱交換を4段階に分けて行うことで、冷媒が凍結することなく氷点下冷熱を実現する方法を考案。この点が評価され、同プロジェクトへの参画を要請された。[br] 同プロジェクトでは、この冷凍機を使って氷のシャーベットを製造し、物流用トラックの収蔵庫内を低温管理するなどの用途を想定している。[br] 野田教授は「この冷凍機の動力源は大半が低温の焼却排熱で、電気使用量も大幅に削減できる」と強調。「温度帯は自治体のごみ焼却炉などと同等で、これまでは有効な利用方法がなかった。冷凍機が将来的に多くの分野で実用化できれば、熱利用の可能性が格段に広がる」と期待を寄せた。[br] 野田教授の研究成果は既に複数の報告会で公表されており、近く論文にまとめる予定。冷凍機の試験機を使い、氷点下冷熱の仕組みを説明する野田英彦教授=25日、八戸工業大