全国高校野球選手権大会奥羽予選大会最終日、奥羽の覇権を賭し甲子園への出場を争う決勝戦は絶好の野球日和に恵まれた三日午後一時五十六分から青森市営球場で青森工、秋田南を破った盛岡一高と秋田商、七戸高を撃破した青森高との間に開始され、熱戦二十四回息詰まる投手戦のうちに二十四回青森高決勝の一点を挙げ四時間にわたる熱闘の結果、青森高は奥羽の覇権を握り昭和二十三年以来、再び甲子園に駒を進めることになった。
三日間の連投にもかかわらず疲労の色を見せぬ梶原、藤澤両投手の好投により試合は最初から投手戦となった。 長身の梶原は得意の剛速球を内外角に決め、時折り交えるカーブ、アンダスローに盛岡一高の打線を封じて攻めつければ、盛岡一高若冠藤澤は内角を衝くシュートボール、ドロップ気味に外角に落ちるカーブ、巧にコーナーを通す速球と多彩な投球に三、六、七、八回のピンチを切り抜けて堂々これに対抗し九回まで試合はたんたんとして進み両軍無得点のまま延長戦に入り遂に一点を争う熱戦となった。
九回まで青高は度々スコアリングポジションに走者を送って盛一高をやや●倒したが後続続かず、盛一高は延長戦に入るや藤澤の好投に奮起し十三、十四、十七、十九回と一死あるいは二死走者二、三塁と青高を追いつめたが決定打がなく両投手の威力衰えず、選手また力闘にやや疲れを見せて打力振るわず二十、二十一、二十二、二十三回と進み何時両軍の打棒が●●するかと期待されたが、二十四回青高はこの回ようやく疲労の色を示したコントロールがやや乱れた藤澤投手から三番七木田が中前ヒット、つづいて二●に成功し梶原遊ゴロ失に無死一、二塁 岩谷のバントに二、三塁と進み絶好のチャンスをつかんだ。続く打者●原のときスクイズの裏をかいた投手藤澤の絶妙の牽制球に七木田 三本間に挟殺され二死となったが、打者●原の遊撃ゴロを小川またもや失、貴重な一転を許し遂に敗れた。
(青森高)梶原―岩谷
(盛岡一高)藤澤―向井田
▽二塁打 大山(青)
※●は印刷不鮮明で判読できず。
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1951年奥羽大会・決勝 青森 VS 盛岡一[/right]